« 安物買いの銭失いの裏側:『ファストファッション: クローゼットの中の憂鬱 』(エリザベス・L・クライン著/春秋社) | トップページ | 穏やかな波のように優しくゆらめくヴォイス:「Live in NYC /Gretchen Parlato」 »

2014/08/27

アジアにおける日本の立ち位置を考えさせられる一冊:「大川周明の大アジア主義」(関岡英之=著)。

10592973_10203162169748356_79249642

予断を許さない中東情勢や尖閣諸島問題がきっかけではなく、
ここ数年前からおぼろげながら関心があった「大アジア主義」。
とはいえ、これまで読んだ本といえば、
孫文と辛亥革命を支えた映画の日活創業者のひとりである梅屋庄吉や、
私心なく辛亥革命への献身を続け大陸浪人ののち浪曲師になった宮崎滔天(とうてん)、
さらには岡倉天心といった人にかんする書籍ばかりでした。

いっぽうで教科書的には「右翼の思想家」という括りがあったものの、
浅学ながらも「大アジア主義」を知るにつけ思想の左右に関係なく関心がわいてくる、
大川周明や頭山満。

というわけで手にした一冊は「大川周明の大アジア主義」(関岡英之=著)。

内容的には「大川周明を訪ねて」といった周辺の回顧録&人物伝的な色合いの濃い一冊だった。
あの東京裁判で東条英機の頭をポカッと叩いたことの真相等、
もっと振り下げてほしい部分も多々あったが・・・

欧米列強からのアジア諸国解放を唱えるうえで、
インド独立運動のみならず、アラブ(中東)諸国にまで見据えコーランの研究等にも余念がなかったこと。
太平洋戦争(大東亜戦争)を最後まで回避すべく奔走したこと、等々。

たんなる思想の左右を超えて世界を見るスケールの大きさを思うと・・・

昨今の政治家や言論人で、誰にそういった懐の深さがあるのか? ふと考えてみたりもした。

また「原発」や「TPP」、「地域主権」といった日本の課題を考えるうえで、
従来までの「保守/リベラル」や「右翼/左翼」といった二項対立の枠組みでは整理がつかないが、
ある意味、大川周明も、
そういった二項対立の枠組みを超えて日本および世界を見据えた人であったともいえようか。

いずれにせよ「大アジア主義」という「イズム」なれど、
そこに集った人たちが「口先だけのスローガンよりも誠実な人となりと信念」が、
国境を超えて世を動かした。

そんな「もうひとつの近現代史」に、
個人的な意見ではありますが「悪いロマンではない」と思う次第です。

« 安物買いの銭失いの裏側:『ファストファッション: クローゼットの中の憂鬱 』(エリザベス・L・クライン著/春秋社) | トップページ | 穏やかな波のように優しくゆらめくヴォイス:「Live in NYC /Gretchen Parlato」 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/91790/60210973

この記事へのトラックバック一覧です: アジアにおける日本の立ち位置を考えさせられる一冊:「大川周明の大アジア主義」(関岡英之=著)。:

« 安物買いの銭失いの裏側:『ファストファッション: クローゼットの中の憂鬱 』(エリザベス・L・クライン著/春秋社) | トップページ | 穏やかな波のように優しくゆらめくヴォイス:「Live in NYC /Gretchen Parlato」 »