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2014/01/18

真空管アンプの大改造:KT66シングル(三結)から45シングルへ。

wine今宵のBGM: Thelonious Himself

昨年、自作の真空管アンプが無事に完成し、
夜な夜なフィラメントの灯火を見ながらリラックスタイムを楽しんでいます。

初めてのアンプはKT66を三極管接続したシングルアンプ。

http://lefty.air-nifty.com/kaleidoscope/2013/06/kt66-2aa8.html

↑KT66を三極管接続したシングルアンプ

思ったよりも高域が繊細だったので大きな不満はなかったのですが、
ある日、父親の生家に置いてあった電蓄の中をのぞいてみたら、
整流管(80)や出力管(42)といった小型ST管の出で立ちに魅了され……

「いっそのこと古典管仕様のアンプに改造してやろう!」

と思い立ち、正月の休みを利用して大改造に着手しました。

トランス類と、電源部そしてRCA端子からボリュームまでの配線、
そして出力トランスからの配線だけを残し、
ソケットはもちろん、抵抗やコンデンサにいたるまで変更しています。

こうしてキットでもなく自作で真空管アンプ製作に取り組んでいるものの、
回路を本格的に勉強しているわけではないので(大学も文系)、
初めての製作に続いてフロービスさんの製作例に従っています。
過去にはエレキギター用のエフェクター(トレモロ)をシャーシー加工から自作した程度で、
オーディオ用のアンプが真空管アンプが初めてです。

古典管しかもロシアや中国、東欧で生産されているレプリカではなく、
1940年代までさかのぼってみたいという気持ちもあり、

出力管は「45」(RAYTHEON)
整流管は「80」(PHILCO)

です。

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初段管については「6SL7GT」(TUNG-SOL)と「6188」(SYLVANIA)を所有しており、
KT66のときは「6SL7GT」のほうを好んで使っていましたが、
今回のアンプでは完成後に両方さして音をチェックしたところ、
「6188」のほうが音にシットリ感があったので、当分はこちらにします。
「45」と「80」の輝きがおとなしめという見栄えに合わせる理由もありますが。

Dscn6189_2

この改造に合わせ、
前回やや私としては使いづらかったピストル型の半田ゴテから、
ストレート型のボタンを押せばワット数が変わるタイプへと変更しました。
やはりストレート型のほうが奥の方まで届きます。

これでずいぶんと作業効率が上がり、
慎重に進めつつも一日半程で作業終了です。

1497776_10201780676811896_680221437
↑電圧チェックが終わり最終的に配線材を結束バンドでまとめる前の一枚。


前述のとおり、私は回路の勉強を本格的にしているわけではないですし、
テスター以外は一切の測定器を持ってませんので、
諸処のデータがないことをご了承ください。

今回の改造では、
初段の回路を「SRPP」から「カソードフォロワー直結」へ変更しています。

いっぽう配線材は高価なものを一切使っていません。
千石やマルツといった電子パーツ屋さんで入手できるものばかりです。

高圧の部分の配線は協和ハーモネットのUL1015(AWG20)、
ヒータ配線や信号が通る部分の配線はオーディオ用でもないサンコー電商の0.65mm単線を使っています。

ベルデン等の配線材を買おうかと思ったのですが、
配線をまとめる勉強をするうえで安価な単線が大いに役立っています。
他の配線材との比較をしていませんが、
問題なく使えるレベルと思っています。

サンコー電商の0.65mm単線のほうはテフロンと違って被服が熱に弱いですけど、
ハンダ付け時に注意すれば問題なく、
ハンダ付けやワイヤリングもしやすいというのが実感。

Dscn6086

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さて、改造・完成後、2週間を経て出てくる音の感想です。

70年以上前に生産された出力管や整流管だけに、
さまざまなノイズやトラブルに遭遇するのではないか?
そんな不安がありました。

電圧チェック後、エージングがてら小音量でダラダラと鳴らしていたときは、
ときどき不安定な音の出方をすることもありましたが……
すっかり落ち着いてきています。

もう一つの不安は直熱三極管ならではのハムノイズでした。
オーソドックスに交流点火していますが……
90db/W・mのスピーカーとはいえ、
耳をユニットにくっつけて微かに聴こえるレベルです。

ソースを再生しない状態でボリュームをマックスにしても、
耳をユニットにくっつけてかすかに聴こえるハムノイズ以外はゼロに等しいノイズ。

現時点では静かなアンプに仕上がりました。

Dscn6195

今後、少しずつ手を入れていく予定ですが、
現段階でのインプレッションは以下のとおりです。

(1)静かなたたずまいの音

とても素直でキレイな音(特に高域)なので、
深夜なんかは特に聴いていて落ち着きます。
KT66三結アンプは45シングルに比べると、
ライブ演奏のホールトーンっぽさ(エコー感)は大きめに出るので、
それはそれで個性といえば個性だったかもしれませんが。

演奏者の息づかいや弦や鍵盤を伝っての指づかいの軌跡……
前回のKT66三結よりも明らかに伝わってきます。

いっぽうソースが現代に近づけば近づく程、
KT66三結のほうがダイナミックな印象です。

このあたりは好みの問題かもしれません。

ちなみに、初段のところで……
当初はマロリーのポリプロピレンコンデンサーを使う予定でしたが、
横幅が広めで収まりが難しく、
某パーツショップで見かけたObbligatoゴールドポリプロピレンコンデンサーなる
素性のわからぬ怪しげ?(笑)な コンデンサにしています。

後日、あらためてマロリーを搭載してみての比較等してみます。


(2)片チャンネルたかだか2ワットにも満たない出力だけど……

よく真空管アンプづくりの諸先輩方に
「45は構造も特性も2A3の半分なので」というアドバイスをいただきました。

じっさい、
90db/W・mのスピーカーでは大音量を望むことは土台無理です。
でも、こうしてパソコンに向かっている時のBGMや、
夜、周囲が静まりかえったときに小音量で聴くことを目的するならば、

「音の清らかさ」という点で“癒され感”がとても高くて気に入っています。

PC経由で味気も素っ気も無いYou Tubeの再生も、
特にバッハのヴァイオリン協奏曲あたりは、
運指が手に取るようにイメージできて、
すっかり夜の定番となっています。

またセロニアス・モンクの「Thelonious Himself」を聴いていると、
内省的な音の雰囲気が、
いい意味で淡々とスピーカーから放たれていて、
ますますプレーヤーへの尊敬の念がわくといったところです。


(3)一番の問題は今後の球の確保?!

チャンスに恵まれ入手できた「45」ですが、
ロシアや中国、東欧のレプリカ球がなく(唯一ある類似のものも高価)
オールドストック品等も相場が高いので、
大事に使っていきたいのですが……
予備の小型デジタルアンプを全く使う気になれず、
今後も、大事にいたわりながら45を聴き込んでいくことでしょう。

過去にも、
いろんなところで、
いろんな回路の2A3を聴く機会がありましたけど……
45と2A3は出てくる音の雰囲気が明らかに違います。

淡々と誇張しない音だけど、
デジタルアンプあたりと比べると人肌のぬくもりを感じる45。
気に入ってます。


それと……
当初は45や80を予定していなかったアンプだったこともありますが、
小型のST管を使ったアンプならば、
もう少し小型のシャーシーのほうが趣があるかな、とも。

すっかり余談が過ぎました。

45を愛好されておられる諸先輩方をはじめ、
いろいろとご教示いただければ幸いです。

いい音色に出逢え、ますます夜が長くなってしまいます。



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