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2013/06/27

脱力は「ご縁」をひろげる力:『ネンドノカンド 脱力デザイン論』佐藤ナオキ著・2012年

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「ネンドノカンド 脱力デザイン論」佐藤ナオキ著・2012年

昨日、気軽に「脱力」して読了した一冊。

情報誌に連載されたテキストを集めたもので、一見するとライトエッセイ風の展開。
でも「仕事としてのデザイン(企画)とは何か?」という点での持論は読んでいて実にスキがない。

「アーティスト」的な思わせぶりを出さず「デザイナー」としてのスタンスがしっかりしているから、
多くのクライアントから引く手あまたであることも納得。

たとえば……

自己のフィルターに引っかかるわすかな差異がそのままデザインの素になる、と。

その微細なものを丁寧に集めることでデザインが形作られていくことから、

著者にとっては「フィルター掃除=デザイン」にあるという。

しかもフィルターを定期的に掃除することで別のアイデアが引っかかりやすくなることから、

では、何をすればフィルターに引っかかりやすくなるかと言えば……

「脱力」することが一番。

とおっしゃるわけです。

そして「脱力」して「当たり前のこと」を遮断してしまわないようにすることで、
いいアイデアが生まれる。

つまりは「脱力」することで「既成概念」がなくなり脳が「素っ裸」になって、
自己のフィルターに多くの新しい発見が引っかかってくる、と。

では、どんな人が佐藤氏がいうところの「脱力」に向いているかというと、
「当たり前のこと」が素直に受け止められる「フツーの人」。

いっぽうで、どんな人が「脱力」に向いてないかというと、
「アーティスティックな人」や「個性的な人」。

言い方を変えれば、さまざまな「縁」に恵まれながらも、
ものづくりを介して人とモノ、人と人、モノとモノ、そして世界との「縁」を育むのがデザイナーといったところでしょうか。

そして極論的にいえば「己のはからいを捨てる」ことこそが、「脱力」と言えるのではないでしょうか?!


この本、あまりデザインやデザイナーに興味がない人でも、
身の回りにあるモノがどのような「フィルター」を介して生まれてくるのかを知るうえで、
気軽だけど、しっかりと知る事ができる一冊でありました。

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