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2013/01/12

大阪の風情今昔/大坂三十三観音巡礼記その3:南森町〜天満橋編

※はじめてお越しの方へ。

はじめからお読みになられる場合は…
大坂三十三観音を歩いて大阪の街を再発見:その序章。
大坂三十三観音巡礼記その1
大坂三十三観音巡礼記その2
をクリックして順次お読みください。

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:: 『曾根崎心中』を読みながらの私の大坂三十三観音巡礼記です。
 今回は 第六番~第九番までですが,
 過去と現在が見事に重なるエリアで個人的に思い入れが大きいテキストです。
 ではでは進めていきます。

slateマークの部分は,近松門左衛門の原文です。

clubマークの部分は,私が勝手に現代語に翻訳・要約したりしたものです。
 
eyeマークの部分は,私の勝手なコメントです。

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★大坂三十三観音めぐり☆第六番~第九番★

slate近松門左衛門の原文

「東はいかに。
 大鏡寺草の若芽も春過ぎて、
 遲れ咲きなる菜種(なたね)や芥子(けし)の。露にやつるる夏の虫。
 おのが妻恋ひ。やさしや すしや。あちへ飛びつれ。こちへ飛つれ。
 あちやこち風ひたひたひた。
 羽と羽とを袷(あわせ)の袖(そで)、
 染めた模様を花かとて、
 肩にとまればおのづから、
 紋(もん)に揚羽(あげは)の超泉寺。
 さて善道寺 栗東寺。天満の札所残りなく。」

club私の勝手な現代語への翻訳・要約

「さて,東へと観音巡礼の道を進めて六番目の大鏡寺に着きました。
 草が若芽を出す春も終わり,
 遅れ咲いた菜種(なたね)や芥子(けし)の露を身に受けて,
 やつれた夏の虫である蝶々が自分の妻を恋う姿を見ると,
 「やさしさ」と「いきがってる」様子を感じます。
 その夫婦の蝶々が,あっちに飛び,こっちに飛び,風になびきながら,
 ひたひたと羽と羽を合わせて,
 袷(おわせ)着物の袖に染めてあった模様を本当の花と見違えて肩に止まると,
 自然と揚羽(蝶/ちょう)の紋となりました。
 七番目の超泉寺(ちょうせんじ),
 そして八番目の善道寺,九番目の栗東寺と,
 あますところなく天満の札所を回りました。」

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↑お初天神で大量に奉納された札は恋愛がらみが大半!!
 ハングル語や中国語で書かれた札も見かけます。

:: このエリアは天神橋筋商店街と交差する寺町通りです。
 一直線に観音巡礼が第六番から第九番まで続きます。
 残念ながら,このエリアも太平洋戦争末期の本土空襲でアメリカ軍によって爆破され,古い寺は一つもありませんが,近松の時代と今の時代がつながるような,まさに奇遇とも言える光景に遭遇しました。
 ここからは各札所ごとに写真で追っていきます。

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↑六番目の大鏡寺があったとされるエリアは,なんと今は花屋さん!!!!

近松のテキストでは,この寺を巡礼したあたりから,夫婦の蝶々が,花柄の女性着物の絵を本物の花と間違って女性の肩に止まった,と綴っていますが,まさか,戦争でなくなった寺の跡に花屋があるなんて!そこで蝶(ちょう)にかけた超(ちょう)泉寺はというと……

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↑今はその名残りもなく,マージャン荘があるといったところでしょうか?!
 余談ですが,私,近松門左衛門の,このエリアを紹介するテキストにあやかり……

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↑揚羽蝶(あげはちょう)ではありませんが,蔓結び蝶(つるむすびちょう)の紋を入れた黒紋付を誂えました!! 着る機会はほとんどありませんが。

さらに八番札所〜九番札所と続きます。

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↑八番札所の善道寺。

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↑九番札所の栗東寺はモダンなビル風の寺でした。

:: このあたりで時計を見ると午前9時頃。
 そろそろ暑さを肌で感じる時間帯になってきました。

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ここまでは近松門左衛門が生きた時代の風情なんて写真では全く感じないかもしれませんが,十番札所以降は少しずつ,そんな風情も登場します。

とまれ,何より,この大坂三十三観音巡礼は,曾根崎心中という作品を通して,そのテキストの素晴らしさを感じながら歩き続けて,昔と今の大阪を知る一日旅ではないでしょうか。

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