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2011/02/23

曾根崎心中とともに歩く大坂三十三観音巡礼記その2:兎我野町〜西天満

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↑8月29日午前7時50分頃。曾根崎心中の大坂観音巡礼と同じ青空でした。

今回は近松門左衛門作『曾根崎心中』の「大坂三十三観音廻り」より, 一番札所・太融寺〜五番札所・法界寺まで紹介します。

eye前回に説明を忘れていましたが, 後に徳兵衛と心中する「お初」は,大坂蜆川新地(今の北新地)にあった天満屋という女郎屋の遊女でした。

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↑この北新地のメイン通りの左側に蜆川(しじみがわ)が流れていました。

eye『曾根崎心中』では,そのお初が, 田舎(いなか)から来た客に連れられて大坂三十三観音を歩きます。今の時代で言えば,北新地のホステスさんが,出勤前に,お客さんと食事したりする「同伴」みたいなものでしょうか?!

:: ではでは,『曾根崎心中』に沿って,私の大坂三十三観音巡礼記をば。

slateマークの部分は,近松門左衛門の原文です。

clubマークの部分は,私が勝手に現代語に翻訳・要約したりしたものです。
 
eyeマークの部分は,私の勝手なコメントです。

★大坂三十三観音めぐり☆第一番〜第二番★

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↑一番・太融寺の入口にて。手にしているのは,太融寺から送っていただいた「大坂三十三観音」のガイドブック。午前8時頃。

slate近松門左衛門の原文

「一番に天満の。太融寺。
 この御寺の。名も古(ふ)りし昔の人も。
 気の融(とほる)の。大臣(おとど)の君が。
 塩竃(しおがま)の浦を。都に堀江漕(こ)ぐ。塩汲み舟の跡絶えず。
 今も弘誓(ぐぜい)の櫓(ろ)拍子に。
 法(のり)の玉鉾(たまぼこ)えいえい。
 大阪巡礼胸に木札の。補陀落や。大江の岸に打つ波に。
 白(しら)む夜明の。鳥も二番に長福寺。」

club私の勝手な現代語への翻訳・要約

「一番は天満にある太融寺。
 むかし源融(みなもとのとおる)大臣という粋な心をもった方が建立された,
 古くから名前の知られた寺。
 その融の臣(おとど)が,京都の鴨川のほとりにある六条院に,
 塩釜(今の宮城県塩釜市)の浦の風景に似た庭と作ろうと,
 海水を汲んで運ばせた船が,大坂の堀江から京の都へと行き来しました。

 そのときの名残りあって,
 まるで私たち人間を仏の安楽浄土へと導く救いの船のように,
 今も艫(ろ)の拍子が,ここ天満に響いています。

 それと呼応するように仏の道を求めて「えいえい」と声をかけ,
 大坂三十三観音を巡礼する人たち。
 胸には木札を下げて,
 「補陀落(ふだらく)や大江の岸に打つ波に」
 と御詠歌(ごえいか)を歌いながら歩くと,
 周辺が白けると夜明けを知らせる二番鳥が鳴く頃に,
 お初と田舎(いなか)から来たお初の客は,二番目の札所・長福寺に着きました。

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↑二番目の札所・長福寺があった場所は不明なので訪問できず。
 これは太融寺から見た,三番札所・神明宮への方角。
 ラブホテルやバーや風俗関係のレジャービルだらけ。

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↑三番目の札所・神明宮の跡地。キレイに保存されていますが,寄進者は周辺のレジャー産業系。しかしながら,こういう光景が『曾根崎心中』的な大坂三十三観音に合っていると思うのは私だけ?!

:: ではでは,次にすすみます。

★大坂三十三観音めぐり☆第三番〜第五番★


slate近松門左衛門の原文

「空にまばゆき久方の。光にうつる我が影の、
 あれあれ。走れば走る。これこれまた。
 止(とま)れば止る振の良し悪し見るごとく。
 心もさぞや神仏(かみほとけ)。
 照らす鏡の神明宮。
 拝みめぐりて法住寺。
 人の願ひも我がごとく、誰をか恋の祈りぞと。
 仇(あだ)の悋氣(りんき)や法界寺。

club私の勝手な現代語への翻訳・要約

「空にまばゆく照りつけている太陽の光に映る自分の影は,
 あれあれと走れば走り,これこれとまた止まれば止まる。
 まるで地面に映る自分の姿の良し悪しを確認するように,
 私たちの心も,神様や仏様が鏡で照らし出しておられることでしょう。
 その鏡が観音様と一緒に祀(まつ)られているのが三番札所の神明宮で,
 その次に四番札所の法住寺へと拝みまわっていきます。
 
 その後,他人の願いも,さぞ自分の願いのように誰かへの恋だろうか?と,
 嫉妬(しっと)心にかられながら,五番札所の法界寺をお参りしました。」

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↑四番札所の法住寺があった場所は,今は何と関西テレビの駐車場および
 リバプールにあるビートルズで有名なCavern Clubじゃなくて,
 大阪のビートルズ好きが集まるバーです。

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↑四番札所・法住寺から五番札所・法界寺へ行く途中で発見した,
 ホストクラブ入口に捨てられたシャンパンのボトル。
 午前8時台にもかかわらず,ホストクラブから爆音が鳴り響いていました。
 陽が登ってもホステスの相手をするホストも,なかなか大変ですね?!

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↑五番札所・法界寺。
 戦争での大阪空襲でアメリカ軍が爆弾を落としているので,多くの大阪の寺は燃えてなくなりました。よって,こういった近代的なビル?!のような寺が,大坂三十三観音でも多数を占めます。
 この奥に寺っぽい本堂があるわけですが,やっぱり寺の入口は木の柱と瓦の門があるほうがふさわしい?! ちなみに入口の右側(敷地内)には居酒屋がありました。

eyeところで,三十三観音巡礼で行く寺や神社を 「札所(ふだしょ)」ともいいます。
 これは,かつて観音巡礼する人が, 胸に木で作ったカードのような札を, 一つひとつ回った寺や神社に,釘で打ち付けていたことに由来します。

eye今では紙の札を納めることが多いものの,大坂三十三観音は,一度,その歴史が途絶えた観音巡礼なので,そういった札が用意されていません。そんなことはともかくとしまして,今,大坂三十三観音巡礼をする人は,近松門左衛門ひいては曾根崎心中に興味がある人がほとんどのようです。

:: 次回は第六番〜第九番(南森町〜天神橋筋周辺)を紹介します。



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