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2010/07/25

ロマンチックウイルス(romantic virus):集英社新書/島村麻里著

1544291172_240:: 少し以前に読んだ一冊。

:: 口蹄疫なる伝染病で多くの食用牛が殺傷処分されて,
 なんとも人間本位と思ってしまったりしますが,

:: 若き乙女以上に中高年の女性が感染しているのは,
 氷川きよしやヨン様といった有名人への熱狂ぶりを伴う,
 「ロマンチックウイルス」というか,
 「ロマンチックインフルエンザ」といえばいいでしょうか?

:: こちらはタミフルその他特効薬で沈静化するような症状ではなく,
 周囲の人からすれば「悪化」している事態が,
 当事者にとっては「喜び」の増幅状態であります。

:: ここしばらく男性が行くだけでも「浮いてしまう」大衆演劇に足を運んでいますが,
 「ロマンチックウイルス」の一端は,
 大衆演劇を観劇する中高年の女性にも似たところがあり,
 また,少々違うところもあります。

:: 少々違うのは,役者との距離感。
 大衆演劇の役者なら,送り出しで気軽に握手することができますけど,
 ヨン様や氷川きよしの場合,
 ほとんどはDVDやテレビといったメディアをとおして楽しむ存在です。
 その点において,二次元のアニメキャラに萌える「男性のヲタク」と,
 そのじつ,似た部分があります。
 いずれも「自分の心の中で相手の理想像を肥大させる」ことができるからです。

:: とまれ,男では決してたどり着けない「女性のうっとり感」という空気感については,
 本を読んで理解することも大事ですが,
 ジャニーズ系のイベント,ビジュアル系のライブ,さらには大衆演劇あたりを観れば,
 この本の言わんとすることは,おおよそ理解できます。

:: ただ,大衆演劇の追っかけファン以上にヨン様に熱狂しているファンのほうが,
 倒錯度は圧倒的に高いといえるでしょう。
 冬のソナタにも見て取れるヨン様のイメージは,
 「純愛」や「プラトニックラブ」といった「高潔」さ。
 精神的なエクスタシーをどこまでも求めることで,
 そのじつ,現実的な生活へのバランスを保っているともいえます。
 大衆演劇の追っかけファンにも,そんな人は少なくないかもしれない。^^;
 ただ高額の「お花(祝儀)」や,
 その気になれば毎日でもお目当ての役者と握手したり,
 場合によっては「アフター」なんて期待もできる大衆演劇の追っかけファンは,
 ある意味ホストクラブへ足を運ぶ女性客と近いかもしれません。

:: 今日,話題にしたい(集英社新書/島村麻里著)に書いていることについては,
 アマゾンあたりのレビューでも参照してくださってけっこうですが,
 とにかく,このウイルスに男性が感染する確率は,
 ほぼゼロに近いことだけは断言できます。

:: とまれ,本文のなかで印象的だったのは,
 日本では中世や江戸時代あたりでも,
 女性だけのグループでお伊勢参りしたり外出したりすることは稀ではなかったこと。

:: いっぽう欧米諸国における女性の外出は,
 ある一定の年齢を過ぎれば男女カップルという固定観念が強く,
 女性だけでなく男性も一人で行動するのは,
 周囲からどことなく後ろめたく見られるということ。

:: 日本だけでなく東アジア圏では儒教観念が強く,
 『礼記』には「男女,七つにして席を同じくせず...」といった一文あった。
 なんて,これまでのインテリの言説みたくネガティブな見解から文献をよりどころにするよりは,

:: 欧米(西洋)型の「男女カップル観」とは違った・・・
 欧米(西洋)人から見れば,ずいぶんと「ユルい男女間」が,
 東アジアの特徴だったのかもしれません。

:: その意味では,昨今,
 「婚活」「草食系男子/肉食系女子」などと言った言葉が跋扈しているわけですが,
 一昔前なら,結婚式で相手とはじめて出会うなんてカップルも多々あって,
 それでもなんとか人生を送れた人もいるわけです。

:: 何が本当の「幸せ」なのか? 
 メディアに翻弄される現代人そのものが,
 陽性であれ,陰性であれ「ロマンチックウイルス感染者」なのでしょうね。

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