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2010年7月

2010/07/26

『最後の恋は草食系男子が持ってくる』:新しいジェンダーの世界

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(●写真)『最後の恋は草食系男子が持ってくる』森岡正博/2009年

:: 春先のことですが,売れ線の本でも読んでみようかと『筆談ホステス』を手にし,
 その隣にあった本のタイトルに惹かれて購入したのが,これ。

:: 著者が生命学を提唱している,
 これまで何冊も著作を読ませてもらった哲学者の森岡正博ということで,
 目次等チェックせずにレジへ持っていきました。

 それにしても,この本,じつは,

:: 女性向けの恋愛指南本でありました。

:: なんと「草食系男子と恋愛するにはどうすればいいのか教えてほしい」
 という声を受けての執筆であったようです。

:: 著者が森岡正博ということで,展開は,読む前から予想がつきました。

 「男と女の心のかけひき」という点においては,

:: 『筆談ホステス』は夜の商売ということで積極的に語られていますが,
 『最後の恋は草食系男子が持ってくる』においては,
 「じらしたり,逃げてみたりという駆け引きをしないこと」

 と,草食系男子には,これまでの女性向け恋愛指南書のテクニックは通用しないとしています。

:: その理由については,この本を読めば鮮明に見えてきますが,

 著者によれば草食系男子へのアプローチのまとめは,こうなってました。

・自分の気持ちを言葉ではっきり伝えて,まずは心の次元で親密になる。
・草食系男子の遅いペースに合わせて,じっと待つこと。
・思わせぶりな態度や,駆け引きは通用しない。
・女性がリードしてもかまわない。
・追ってきてほしいときは,直前まで環境を整えて,待つ。
 (43ページ)

:: また著者が草食系男子と言われる人達にインタビューしていますが,
  男の友達として見れば感性が良さそうな人がほとんどだなあ。

 って,そのじつ,自分の回りの男友達を見ても,
 「肉食系」よりも「草食系」タイプのほうが圧倒的かもしれない?!
 でも,その大半は結婚しているし,
 話題の引き出しが豊富だったり,
 人への気遣いがキレイだったり,

 それと男女関係では「狼」でないかもしれないけど,
 その他のことでは実にポジティブな人も多々います。

:: そういえば,作家の橋本治が,
 あれは中央公論か何かの雑誌だったと思いますが,こんなことを書いてました。

 江戸時代の,本当のモテ男は,決してガツガツと女性にアプローチしなかった。
 今で言うナンパに走るのはモテない男の証左。
 女性に「ねえ」と言わせるのが,本当の優男。

:: 富国強兵だの,植民地支配だのなかった江戸時代って,
 意外に男は「草食系」だったかもしれません。
 まあ女性に「ねえ」と言わせる男には
 「肉食」と「草食」どちらもいたでしょうけど。

:: そんな余談はさておき草食系男子の多くは,

:: 女性の外見よりも内面重視

 としています。
 ファッションも肌の露出が少なめで女っぽさを強調しすぎないほうが好み。
 やりすぎは,草食系男子が引いてしまいます。

:: 草食系男子と付き合えば,言葉でのコミュニケーションも楽しめる

 ともありますが・・・いかがなものでしょうか?!

:: いろいろと書き出すと長くなりそうなので続きは次回にしますが・・・
 今までの草食系男子のカテゴライズよりは幅があるし・・・

 読んでいると,全てではないとはいえ,この草食系男子に共感できることは多く・・・
 
:: 女性が「女性らしさ」という固定観念?!を疑う意味でも・・・

:: 草食系男子って,ある意味,ジェンダーの進化系なんて思ったりもしました。
 その意味では,旧来の「モテる女性像」に縛られてきた女性の常識を・・・
 くつがえす存在かもしれません?!

(たぶん,つづく)

2010/07/25

楽天「英語がダメならクビ」って?/会社で英語を強要する前に日本語が危ない日本人

:: 最近,日本企業についての賛否両論的な話題といえば,

 「楽天が社内での英語を義務化」

 といったところでしょうか?!

ちなみに日本が太平洋戦争で負けた直後,
 かの文豪,志賀直哉が,あれは確か中央公論誌上だったか,
 日本語は文法等あいまいなのでフランス語を公用語にしては,
 といった提案をしていたのを思い出しました。

 それはさておき楽天の方針はグローバル化なのか?
 みなさんは,どうお考えでしょうか?

:: この社内での英語義務化については,また改めて書いてみたいと思いますが,
 その前に,

:: もうすでに日本では,どう考えても,
 英語のネイティブの方々には通じないであろう「カタカタ語」が氾濫しています。
 あれが,個人的に,どうも煩わしいんです。
 日本語を母国語とする人が苦手な「l」と「r」だけでなく,「th」「v」「f」...etc。
 
:: そういえば,以前,「カタカナ語 日本語も英語もだめに」

 という大学で英語を教える女性からの投書がありました。(10月8日付朝日新聞朝刊)

 <英語の理解を妨げるようなカタカナ語は学校教育の現場では極力,
  使わないように教員は心がけるべきだ>

:: いやはや,「学校教育の現場」どころか,
 ラジオやテレビをはじめ情報伝達媒体にも言えることです。

:: この投書でも<発音とスペリングの学習においても問題がある>
 と発言しておられますが,
 このまま「カタカナ語=Japanish?!」が増殖すると,
 本当に日本での英語学習が,とんでもないものになりかねませんよ。

:: まず,英語の前に<最近,英和辞典の漢字が読めない学生が少なくないとよく耳にする>
 と新聞にも書いてあるとおり,
 今,日本語を母国語とする人の「日本語」が,あやしい。

:: ちなみに,新聞記事では・・・
 「drag」(ずるずる引きずる)と「drug」(薬)は発音も綴りも違うが,
 カタカナでは「ドラッグ」と表記すると紹介されていましたが,

 では,なぜ男性が女装でするパフォーマンスのことは,
 わざわざドラァグクイーン(drag queen)と小さい「ァ」を付けるのかと疑問符がつく。
 おそらくカタカナ語でドラッグクイーンとすると
 「drug queen(薬中女王)」と誤解されかねないからだろう。

:: そんな余談はさておき,そもそも同音異義語が多いのも日本語の特徴で,
 そういった母国語の特徴をカタカナ語でも引きずっている。
 とまれ,言葉が通じるか否かは,
 世界の料理を何でも日本風にアレンジして食べるのとはわけが違う。

:: たぶん,英語が母国語の人なら聞いて驚くかもしれないが・・・
 日本で生まれ育つと,英語を聞く習慣がついても・・・
 「rubbish」(英国でのゴミ)と「lavish」(ぜいたくな)とを区別できないことがある。

:: とにかく日本語には破裂音や摩擦音が英語のように豊富ではなく,
 それこそ,同音異義語も文脈の中で「読む」。
 この同音異義語を文脈の中で「読む」行為こそ,
 日本語を理解するうえで大切な要素ですが,

 たとえば「変態(へんたい)」という言葉。
 「性的な異常(abnormality)」と
 「動物の生育過程における形態の変化(metamorphosis)」
 の二つの意味があるわけで,

:: 結局のところ,先ほどの「ドラッグ」というカタカナ語の示すのはどちらか?
 を考えるのと同じく,
 「変態」という言葉の意味も2つの意味があることを知らなければ,
 使い方によっては大きな誤解を生んでしまうことになる。

:: そんなこんなで,本当のところ,
 英語学習のみならず,外国語学習をするうえで一番大切なのは,
 母国語に置き換えないで学習することが最善かもしれません。

:: とまれ,細かな発音を無視したカタカナ語を氾濫させるぐらいなら,
 いっそのことカタカナ語ではなくアルファベットにすればいいのでは?と思ったりもしますが,
 これはこれで縦書きのさいには不自然極まりなさそうです。
 ならばカタカナ語に発音記号的なマークを表示してほしいといった希望もわいてきます。

 まあ,社内で英語を義務化する流れについては,
 その会社の方針なら外部がとやかくいう必要はありませんが,
肝心の社員の日本語力はいかがなものなのか?

:: いずれにしても,今は英語学習もさることながら日本語学習を疎かにすると,
 むしろ日本人の思考能力そのものが問題視されるかもしれません。

かくいう自分自身の日本語こそ,
 これまで「何歳になっても磨きがかからない」
 と自問自答していた懸案事項であります。



ロマンチックウイルス(romantic virus):集英社新書/島村麻里著

1544291172_240:: 少し以前に読んだ一冊。

:: 口蹄疫なる伝染病で多くの食用牛が殺傷処分されて,
 なんとも人間本位と思ってしまったりしますが,

:: 若き乙女以上に中高年の女性が感染しているのは,
 氷川きよしやヨン様といった有名人への熱狂ぶりを伴う,
 「ロマンチックウイルス」というか,
 「ロマンチックインフルエンザ」といえばいいでしょうか?

:: こちらはタミフルその他特効薬で沈静化するような症状ではなく,
 周囲の人からすれば「悪化」している事態が,
 当事者にとっては「喜び」の増幅状態であります。

:: ここしばらく男性が行くだけでも「浮いてしまう」大衆演劇に足を運んでいますが,
 「ロマンチックウイルス」の一端は,
 大衆演劇を観劇する中高年の女性にも似たところがあり,
 また,少々違うところもあります。

:: 少々違うのは,役者との距離感。
 大衆演劇の役者なら,送り出しで気軽に握手することができますけど,
 ヨン様や氷川きよしの場合,
 ほとんどはDVDやテレビといったメディアをとおして楽しむ存在です。
 その点において,二次元のアニメキャラに萌える「男性のヲタク」と,
 そのじつ,似た部分があります。
 いずれも「自分の心の中で相手の理想像を肥大させる」ことができるからです。

:: とまれ,男では決してたどり着けない「女性のうっとり感」という空気感については,
 本を読んで理解することも大事ですが,
 ジャニーズ系のイベント,ビジュアル系のライブ,さらには大衆演劇あたりを観れば,
 この本の言わんとすることは,おおよそ理解できます。

:: ただ,大衆演劇の追っかけファン以上にヨン様に熱狂しているファンのほうが,
 倒錯度は圧倒的に高いといえるでしょう。
 冬のソナタにも見て取れるヨン様のイメージは,
 「純愛」や「プラトニックラブ」といった「高潔」さ。
 精神的なエクスタシーをどこまでも求めることで,
 そのじつ,現実的な生活へのバランスを保っているともいえます。
 大衆演劇の追っかけファンにも,そんな人は少なくないかもしれない。^^;
 ただ高額の「お花(祝儀)」や,
 その気になれば毎日でもお目当ての役者と握手したり,
 場合によっては「アフター」なんて期待もできる大衆演劇の追っかけファンは,
 ある意味ホストクラブへ足を運ぶ女性客と近いかもしれません。

:: 今日,話題にしたい(集英社新書/島村麻里著)に書いていることについては,
 アマゾンあたりのレビューでも参照してくださってけっこうですが,
 とにかく,このウイルスに男性が感染する確率は,
 ほぼゼロに近いことだけは断言できます。

:: とまれ,本文のなかで印象的だったのは,
 日本では中世や江戸時代あたりでも,
 女性だけのグループでお伊勢参りしたり外出したりすることは稀ではなかったこと。

:: いっぽう欧米諸国における女性の外出は,
 ある一定の年齢を過ぎれば男女カップルという固定観念が強く,
 女性だけでなく男性も一人で行動するのは,
 周囲からどことなく後ろめたく見られるということ。

:: 日本だけでなく東アジア圏では儒教観念が強く,
 『礼記』には「男女,七つにして席を同じくせず...」といった一文あった。
 なんて,これまでのインテリの言説みたくネガティブな見解から文献をよりどころにするよりは,

:: 欧米(西洋)型の「男女カップル観」とは違った・・・
 欧米(西洋)人から見れば,ずいぶんと「ユルい男女間」が,
 東アジアの特徴だったのかもしれません。

:: その意味では,昨今,
 「婚活」「草食系男子/肉食系女子」などと言った言葉が跋扈しているわけですが,
 一昔前なら,結婚式で相手とはじめて出会うなんてカップルも多々あって,
 それでもなんとか人生を送れた人もいるわけです。

:: 何が本当の「幸せ」なのか? 
 メディアに翻弄される現代人そのものが,
 陽性であれ,陰性であれ「ロマンチックウイルス感染者」なのでしょうね。

2010/07/13

日本人男性らしさ(海外から見た):織田信長の意外な趣味

:: ところで,日本に生きる多くの殿方に朗報か?!

:: 少し前のインターネット記事で見つけた話題ですが,
 日本のビジュアル系バンドの追っかけをしていたフランス人女性が,
 日本人男性を賞賛していました。

 http://news.livedoor.com/article/detail/3183561/
 ↑フランス人女性が力説!「日本人男性ってステキじゃない?」
 
:: もしかすると少数派の意見であるかもしれませんが,
 パリでコスプレやアニメを中心にした日本のサブカル関係のイベントに,
 のべ6万人の人が参加する昨今です。^^

 さてさて,どういう日本人男性が好みかというと……
 
 「日本人って、華奢だし体臭もないし、
 両性的な魅力を持っている人が多いと思う。
 もちろんフランス人がみんな日本人やアジア人に魅力を感じているわけじゃない。
 でもフランス人の男性の過剰な男らしさに辟易して、
 その反動で両性的な雰囲気を持つ日本人男性に惹かれる
 私みたいな少数派も確実にいる」

:: というわけで「肉食系」というよりは,
 「ビジュアル系バンド男」とか・・・あるいは,
 「メトロセクシャル」な「草食系」男子が,
 一部のフランス人女性のアンテナに引っかかるようです。

 「中性的」「清潔」そして長所でも短所でもある「シャイなところ」が,
 フランス人男性にはない魅力なのだそうです。

 でも,これにあてはまる日本の男性って,
 どのくらいいるのでしょうか?

:: というか,どちらかといえば「従来の男女の基準を壊したい」タイプの女性なら,
 国籍を問わず,上記のような日本人男性がいいのかもしれません?!

:: 余談ですが,あの「男臭い」イメージを抱きがちな織田信長って,
 じつは女装好きだったって知ってますか?
 (↑この記事の最後のほうで紹介する左義長祭りでの伝説)

:: ちなみに,日本では「メガネ」や「スーツ姿」に萌える女性が,とても多いようで。
 知的なイメージが何と言っても決め手のようですが,
 自分自身は,一時期視力が落ちたとき,
 視力回復訓練までしてメガネやコンタクトレンズに頼りたくないと思っていたし,
 また,早くから視力が悪い友人達は,メガネやコンタクトレンズのない生活に憧れると言っていたし……。

:: とまれ,人間の様々な出逢いのなかで
 「外見」が印象づける部分は大きいことは否定できないことですが,
 ちなみに外国人から見た,かつての日本人のイメージというと,
 「メガネをかけてカメラをいつも持っている」
 なんて言われていたのを思い出すと,
 日本のメガネ男子は何も特別なイメージではないようです。^^


:: 追伸 

:: まあ,そもそも日本の男性ほど,
 その趣味がなくとも「女装」を受け入れられる男性は,
 他の国には,あまりいないかもしれない。

 http://www.geocities.jp/ntfujioka/sagicho.html
 ↑旧正月の15日に催される「左義長(さぎちょう)」と呼ばれる火祭りでも,
 多くの地域で女装した男が山車(だし・左義長)を担ぐ。
 「ハレの日」には性転換して,五穀豊穣を祈願するのであります!
 あの織田信長が女装をして,この祭りを盛り上げたという伝説があります。



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