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2008年10月

2008/10/25

「東京少女」:決して逢えない二人。


(●写真)
「東京少女」DVDのカバー。
でも,主演の夏帆(かほ)の着物シーンはありません。

☆久々に寺山修司の「田園に死す」を見ようと,
 レンタルショップでDVDを物色していたら・・・
 
 「決して逢えない二人。 ケータイの向こうは100年前のあなた」

 というコピーが目に飛び込み,思わず手にした。
 といっても,今年,劇場公開されていたようなので,気づくのが遅かっただけか。苦笑。

 
 この映画のストーリーは・・・

SF作家になりたい未歩(女子高生)が,
ある日,母の再婚相手(出版社勤務)を紹介され,
それを認められず飛び出すと地震が起きて,未歩の手から携帯電話が吸い込まれるように階段から落ちていった。
それがワームホール(Wormhole)だったことから,
100年前の同じ日,同じような階段を歩いていたのは・・・
出版社に持ち込んだ原稿が編集者によって却下され,落ち込んでいた夏目漱石の弟子で小説家志望だった宮田時次郎。
突然,建物の揺れを遭遇して驚くと,得体の知れない物体・・・携帯電話が現れた。

まず,このへんは,いかにもSFチックなドラマの展開ですが・・・

未歩と宮田時次郎が作家志望であり,時空を超えて携帯電話で会話し,恋心を募らせながらも・・・

「電話のバッテリーが二人の関係の切れ目」

携帯電話がテーマとなれば,おおよそ想像がつくところですが・・・
調べれば宮田時次郎の運命を知る事ができる未歩と,
現代人として自分にいつも不安を抱える未歩にとって,
一瞬の希望の光ともいえる宮田時次郎の一途な作品への情熱と人間を救いたいという思いが・・・

現代人に何が欠けているものは「何か」を考えさせてくれる部分もあります。
現代人は,どこか「結果が見えてしまっている」と思いがちではないですか?

携帯電話を持つ事で,100年前の宮田時次郎も,自分の将来に不安を抱えてしまいます。

とまれ,「明治」と「平成」という時代を携帯電話がつなぐというところに,
二人の男女が「決して逢う事のできない愛」の妙味があり・・・

現代人が抱える将来やコミュニケーションへの不安が,
100年前の人物を介して浮き彫りになっているといっては言い過ぎでしょうか?

「バッテリーの切れ目が縁の切れ目」なんですから。

映画の詳細については・・・

http://w3.bs-i.co.jp/cinemadrive/girl/index.html

でご覧ください。

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ちなみに・・・いろんな奇遇を,この映画を見て自分でも感じました。

まず,このDVDでは宮田時次郎が着物屋「ゑり善」の銀座店に入るシーンがありますが・・・
数日前に,私も「ゑり善」の本店(京都)に入ったこと。
ちなみに,「ゑり善」の銀座店は1957年にオープンしているので,100年前には存在していません。
まあ,フィクションなので許しましょう。笑。

また・・・じつは,私自身が,ある本の著者であり・・・
ずっと前から,50年後,100年後,図書館等で,どういう扱いをされるのだろうかと・・・
よく想像することがありました。

他愛のない余談はさておき・・・携帯電話が持つ事での恩恵もありますが・・・

不安要素も増えて来たと思うのは,私だけでしょうか?


2008/10/22

ネオ☆ゴシック・ロリータ:日本文化のリサイクル(その1)

961340038_106※この本の話は2,3回に分けて書きます。

(●写真)「ネオ☆ゴシック・ロリータ」の表紙

☆男が読むのは「恥ずかしい」と思いつつ,
 図書館で借りた「ストリート・モードブック ネオ☆ゴシック・ロリータ」
 (グラフィック社・2007年)

 11のブランドが紹介されていますが,
 気になるのは,デザイナーやミュージシャン...etcの話。
 そして・・・私が知っている話題がどれだけあるか? 苦笑

 いろんなブランドの服を見ながら,一気に読み終えた。
 そして,私自身が感じたことは・・・

 「ゴシック・ロリータは21世紀の新しい世界ではない。今では<ふつう>に存在する世界」

 ということでした。
 というのも,ゴスロリのデザイナー達が通ってきた音楽やファッションの趣味は,
 自分自身も通ってきた同じような道だったから,ということがわかったからです。

 個人的な話題はさておき・・・
 ドラァグクイーン(drag queen)のヴィヴィアン佐藤氏のコメントに注目。

 「・・・現在の東京の東京のストリートファッションシーンは,明らかに海外をお手本にするのではなく,自分たちの過去・歴史をリメイク,文化のリサイクルをしているようでもあるわね。そういう意味で現在は自分たちの近い過去である80年代,そのストリートカルチャーやファッションシーンが重要なの」(p133)

確かに「ゴシック・ロリータ」という言葉を耳にするようになったのは2000年あたりからかもしれないけど,
ビジュアル系のルーツでもあるパジティブパンク(ポジパンとも言ってた)系のライブに行けば・・・
すでに1980年代後半〜1990年代前半にはゴスロリ系ファッションの人たちはいた。


※その2に続く

2008/10/14

和GOTHなヲタク世界:曾根崎心中(初音ミク&鏡音リン)

このところ・・・
着物にハマっていることもあって,
「和GOTH」という言葉に強い興味があります。

といっても,着物で女装をするということではなく(苦笑),
あくまでも,日本の「耽美(estheticism)」「デカダンス(décadence)」を再発見しようというところ。

こういう傾向は・・・
たぶん,私が子どもの頃,初めて見た映画の影響かも。
といっても,日本の映画ではなくて・・・

母親に連れられて見たシェイクスピアの「Romeo and Juliet」だった。

そんなこんなで,私は日本の文学作品でも「曾根崎心中」は何度も読み返していて・・・
梅田へ行けば「お初天神」には必ず足を運ぶ。
大衆演劇でも,近松の作品を見るのが大好き。

というわけで,何気なくYou Tubeで「曾根崎心中」というキーワードで検索すると・・・
初音ミク&鏡音リン「曾根崎心中 」というのがあったので聴いてみた。

す,すごい!
歌詞は,曾根崎心中の原文そのもの。

You Tubeでは二つ動画があったので,まずは一つ目・・・

↑こちらは歌詞が出てくる。近松を読めば仏教も勉強できる!
 「成仏疑ひなき 恋の手本となりにけり」
 というエンディングが・・・ああ,ステキ。


初音ミクと鏡音リンって,ぜんぜん知らなかったけど・・・
少女キャラクターのボーカルmidiだったのね。

それにしても,メタルっぽいサウンドに近松のテキスト。
こういう表現もあったかと,感涙。

もしiPodに入るなら,お初天神の中で聴いてみたい。

↑こちらはアニメがキレイ。

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