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2008年2月

2008/02/28

NEXT早乙女太一

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(●写真上)
NEXT早乙女太一?! 剣戟はる駒座・副座長の津川鶫汀(らいちょう)君。

(●写真下)
晃大洋(こうだいはるか)さん。本当に芝居がうまい女優さんです。


★昨日(27日)は・・・
先週まで深夜続きだった仕事が一段落したということで・・・
友人S氏と男二人の慰労会(笑)の前に・・・

食事は新世界の予定だったので・・・
2月1日に観た「剣戟はる駒座」という劇団の芝居を見に・・・
通天閣下の浪速クラブへ。

今日が千秋楽ということもあると思いますが・・・
寒い平日の夜ながら,お客さんがいっぱい。
今,勢いのある劇団さんです。

座長の甘いルックスもさることながら・・・
14歳で・・・もしかすると「NEXT早乙女太一」かもしれない・・・
副座長の津川鶫汀(らいちょう)君に・・・オバサマ方の黄色い声(●写真左)!

早乙女太一がメディアに登場するときは女形ばかりですが・・・
この津川鶫汀君には,ぜひ「立ち」で光る役者になってもらいたいものです。

ちなみに,この日の芝居は,劇団の年輩者が演じる喜劇。
舞台セットが変わらない,まさしくシャベクリ三昧。
ここは,津川鶫汀君の母親でもある晃大洋(こうだいはるか)さんの独壇場!
男の三枚目を演じる女優は,どこも笑いとユーモアがありますけど・・・
晃大洋さんは,そのなかでも飛び抜けておもしろい(●写真中)。

まだまだ発展途上の劇団と思いますが・・・
次も観に行きたいと思わせる・・・
新しい「何か」があります。今後が楽しみの劇団です。


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2008/02/08

映画「夫婦善哉」:大阪本来の風情。

Zenzai_(●写真)豊田四郎監督「夫婦善哉」(織田作之助原作/1955年)

本日,車のカギを落としてしまい・・・
滝汗状態でしたが・・・良心的な大学生が警察へ届けてくれて大助かり。
半日,ドッと疲れたのでDVDで映画「夫婦善哉」を見てました。

それにしても・・・
江戸時代の近松門左衛門も・・・
昭和時代の織田作之助も・・・

大阪を舞台にした原作は・・・
いずれも男は甲斐性のない商人と,
花柳界に生きた女性が主人公。

「夫婦善哉」では・・・
女性は,曾根崎の人気芸者・蝶子(淡島千景)。
男性は,船場の化粧問屋の長男・柳吉(森繁久彌)。

そういえば,森繁久彌氏は,
私が大学に入学したとき,来賓者の一人として,ヨボヨボと入場しておられた。
今を思えば,日本の大衆向け映画や演劇に貢献した人が数多く学んだ大学であったと,つくづく思う。

1932(昭和7)年の大阪を舞台にしていますが・・・
最近の若い大阪言葉より,
1955(昭和30)年に撮影された当時の大阪弁のほうが,
何と耳に入りやすいことか。

曾根崎,船場,法善寺横丁・・・
今でも足を運びがちな大阪の街ですが・・・
話が英雄伝説でもなく,
さりとてドロドロした悲劇になるわけでもなく・・・
大小の波がありつつも,人間が生きていく様が描かれていて,
とてもココロが和む名作です。

ちなみに・・・この映画で出てくるカレー屋の「自由軒」は,
今も難波にあります。
高校生の頃から,大阪へ行くと,時々食べていました。
カレーに生卵がおいしいですね。

http://www.jiyuken.co.jp/
↑自由軒のサイト。

それと・・・
こういう古い映画を見ていると・・・
町人の気前の良さを受け継いでいるのは・・・
なんだか「お花(祝儀)」を旅役者に送る・・・
大衆演劇オタクのオバサン達かなと思いました。

なんだか「金こそ自己保身」的な世の中に,ますます堕ちている日本の社会です。


2008/02/04

『曾根崎心中』:日本の美文と無常観。

Sonezaki(●写真)
『曾根崎心中 冥土の飛脚 心中天の綱島』(角川ソフィア文庫)
現代語訳から読むように編集されています。
文楽(人形浄瑠璃)や大衆演劇を見る人には大いに助かる一冊。

この週末は,あらためて『曾根崎心中』を読み直そうと・・・
(●写真)の文庫本を購入。

『源氏物語』は,貴族社会の夢物語みたいで・・・
どうもダラダラとした展開も好きになれない。

『Titanic』では,一筋の涙も出ない・・・
男一人死んでいくDiCaprioが勇敢とするのがアメリカ的?!


『Romeo and Juliet』は『曾根崎心中』に近いかもしれないが・・・
「貴族の悲劇」と「庶民の憐れみ」とは少し違う。

というわけで『曾根崎心中』です。
登場人物の徳兵衛は『Titanic』的価値観からいけば情けない「ヘタレ男」です。
だからこそ,私は『Titanic』よりも『曾根崎心中』です。

1703年に書かれ,人形浄瑠璃も,その年に上演されたもの・・・

「心中」をするカップルが増えたため1723年に禁止され・・・
劇場で復活したのは,じつは1953年(新橋演舞場・歌舞伎)。

そんな前置きはさておき・・・『曾根崎心中』は,
大阪堂島新地天満屋の女郎はつ(21歳)と内本町醤油商平野屋の徳兵衛(25歳)が・・・
曽根崎にある露天神の森(「お初天神」)で情死した実話をもとに書き下ろした短編。

30分もあれば読み終わります。

しかし,文章は,この上なく美文です。
さすがに,簡単に「お涙ちょうだい」的な展開にアレンジされた大衆演劇版「曾根崎心中」は,
それはそれでオリジナルと思っておいたほうがいいでしょう。

よく,テレビその他のマスコミでは・・・
「大阪は<お笑い>と<人情>の街」と紋切り型に言いますが・・・

私は・・・近松門左衛門の世話物をもって・・・
「大阪は<涙>と<憐憫>の街」という一面こそ大事だと言いたい。

そんな余談はさておき・・・日本語のみならず英語にも翻訳されているので,
興味のある方は,ここであれこれ書くより,原作を読んだほうが良いと言っておきます。

が,もともとは人形浄瑠璃用に書かれた話だけに,
ひとつひとつの描写が視覚的で美しい。

たとえば・・・

「露に憔るる夏の蟲。おのが妻戀ひ優しやすしや。

 彼地へ飛つれ、此地へ飛連れ、

 彼地やこち風ひた/\/\、

 羽と羽とを袷の袖、染た模樣を花かとて、

 肩にとまればおのづから、紋に揚羽の超泉寺。」

(現代語訳:<前略>やつれた蝶が己の妻を恋う様子はやさしくもあり.生意気でもある。夫婦の蝶があっちへ飛び,こっちへ飛び,東風にひたひたと羽と羽を合わせ,袷の袖の染め模様を花かと見誤って肩に止まると,自然に揚羽蝶の紋になる。<後略>)

 <<現代語訳は『曾根崎心中 冥土の飛脚 心中天の綱島』(角川ソフィア文庫)>>

 飛んできた蝶蝶のカップルが,着物の花柄を本物と見間違えて,肩に止まったら・・・

 それが自然に揚羽蝶の紋になったって・・・とても粋な一文ですね。

とまれ『曾根崎心中』をとおして,一番,人の世の<無常観>を表している一文は・・・

有名な・・・

 「この世の名残り 夜も名残り

  死ににゆく身をたとふれば

  あだしが原の道の霜

  一足ずつに消えてゆく
  夢の夢こそ あはれなれ

  あれ 数ふればあかつきの
  七つの時が六つなりて
  のこる一つが今生の
  鐘のひびきの聞きおさめ

  寂滅為楽とひびく也」

 現代語訳等の続きは・・・また書きます(あくまで予告。笑)。 


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