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2007/01/30

大人の絵本:『かもめ』挿画に想う。

319459375_24『かもめ』(2005年/アートン)は大人の絵本。

文は寺山修司。絵は下谷二助。これを見て・・・図書館で借り,絵本なので短時間で,何度も読み返した。もちろん,この本は,後日,あらためて書店で購入します。

原作のテキストだけで,いろんな情景を想像するのも楽しいですが,挿画があって,もし描いた人の思い入れが半端じゃなかったら,より原作が活き活きしてくるから,新しい発見があります。この本は,まさしく「それ」でした。

「海で死んだひとは、みんな かもめになってしまうのです」という,フランスのシャンソン歌手・ダミアの歌の一節から,この絵本ははじまります。人生って,なかなか上手くいかないなぁと振り返る老人が,初恋の女性を想う気持ちこそ,ささやかな幸せだと・・・甘くない現実生活の裏側で持ち続ける男のロマンスといった内容でしょうか。ストーリー展開は,女性が読んだほうが切なくなると思います。

といったストーリーに興味を持った方は,手にとって,どこかで読んでいただくとして・・・絵を描かれた下谷二助さん,じつは,生まれて初めて出版した自著(Mixiでは書名や名前は伏せさせてください)の表紙の絵を描いてくださった人です。

とても個性の強い,いわゆる「ヘタウマ」っぽいタッチの絵。ずっと以前から目にすることはあったのですが・・・最初に見た時は・・・

「自分の本のイメージと違う!」

と,自分自身,不満でした。が,月日が経つごとに,他の本にはない独自性があるなあって,印象がかわってきました。
しかも・・・ミリオンセラーになった『買ってはいけない!』の表紙の絵も,下谷二助さん。今を思うと・・・本の装幀者といい,イラストといい,編集者といい・・・ずいぶんと有能な人達に支えてもらった。無かったのは,自分の文才と人間性だったと猛省。^^;

http://www.artone.co.jp/books/107.html

↑に挿画を描き終えられるまでの苦悩が綴られています。


それにしても・・・物語の中で,船乗りだった老人が少年時代,初恋の人との別れ際に言った台詞・・・

<「きみの髪の毛をすこしおくれ」と少年は言った。
 「それをたばねて、ぼくの船の帆柱にくくっていこう。
 それがお護りになって、いつもぼくと
 いっしょにいてくれると、きっと安心だよ」>

ロマンチストだなあ寺山修司は,と思ってしまう一文です。


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