« 左利きの筆法について。 | トップページ | 謎を呼ぶトイレの張り紙。 »

2006/09/28

美しさを欠いた日本語表記

228988007_156写真は,先日,某カー(car)用品店の前を通ったとき見た,カーナビゲーションシステムの広告です。

「車の中で見れる 地デジ」

何だか,かなり言葉が省略されています。正確に表現すれば,

「車の中で見られる 地上デジタル放送」

となりますが,いくらスペースの制約があるとはいえ,日本語の表現にうるさいご意見番なら,口角泡を飛ばして怒るかもしれません。

私は言語学の専門家ではないので詳しいことは言えませんが,日本語は随分と文法や言葉がアバウトに使われがちだなあと思わずにはいられません。かくいう自分自身,正しい日本語を使っているかと言えば・・・少し自信がないというのが現状ですが。苦笑。

できるだけ言葉は保守的であるほうが共通了解が多いと思われます。しかし「見れます」といった「ら」を抜いた表現が多くなるという現象は,ある意味,話し言葉を合理化したいという,人々の知恵や欲求かもしれません。

個人的には・・・「地デジ」という省略語は響きがダサい・・・「切れ痔(ぢ)」みたいな響きだぞ!と画面に向かって叫びたくなります。笑。テレビのCMで放送局の女子アナウンサーが作り笑いして「地デジ!」と声を張り上がるごとに思うわけですが(笑)・・・省略語に対しては,何か一工夫すれば,新しい話し言葉としてのポジションを与えて良いのではと思う今日この頃です。

たとえば・・・英語のように「’」(アポストロフィ)のような記号を採用すれば,日本語を母国語としない人々にも,言葉を類推するうえで理解が深まるのではないかと思うのですが・・・。

上記のコピーですと・・・

「車の中で見’れる 地’デジ’」

といったような雰囲気になるでしょうか。もちろん,どなたかタイポグラフィーやタイプフェイスの専門家がアイデアを凝らして,日本語の表記に合った何かを見つけだせば,きっと日本語がわかりやすくなると,私は何気なく考えています。すでに,そういった取り組みがなされているかもしれませんが。

ちなみに,このささやかな文章ですら,母国語が日本語ではない人々が読むこともあります。実際そうだったりしますので,表現の方法にも工夫を重ねていかねばと思うこと,しばし。ただし,そういったことを考えると,なかなか思いついたことを一筆書きのように綴れない事もありそうです。(^^;

追記:第二次世界大戦後,文豪・志賀直哉は,日本の国語を「文法がしっかりしていて,音韻も美しいフランス語にしてはどうか」といった内容のエッセイを,中央公論で発表しています。これを読んだときは・・・大変な日本語使いの大家の意見とは思えず・・・ただただ驚きました。


只今のBGM : massive attack / tear drop

« 左利きの筆法について。 | トップページ | 謎を呼ぶトイレの張り紙。 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/91790/12068609

この記事へのトラックバック一覧です: 美しさを欠いた日本語表記:

« 左利きの筆法について。 | トップページ | 謎を呼ぶトイレの張り紙。 »