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2006/08/28

もうひとつの愛を哲学する:ステイタスの不安。

Status目にするなり,タイトルからして気になり,読んでみようと思った一冊。

『もうひとつの愛を哲学する—ステイタスの不安—』

著者は,スイス生まれで幼少時にイギリスに移り,ケンブリッジ大学で思想史を学びロンドン大学大学院哲学指導教官を経て『哲学のなぐさ』『旅する哲学』というベストセラーの著作がある,アラン・ド・ボトン。そうした肩書き以上に1969年生まれというところが,同時代的な感覚で読み進められるのではという期待を抱いています。

本のつくりは学術書というよりは,一般書を意識しているためか文字も大きめ。

原題は"Status Axiety"。直訳すれば,まさしく邦題のサブタイトルである「ステイタスの不安」でありますが・・・。つまり,人間が生きていく上で二つの大きなラブストーリーがあって,ひとつは性的な愛の探求物語,もうひとつは世間から人間としての自分を受け入れてもらうための愛—ステイタス—の物語を求めて生きる。この邦訳書では後者の愛について,その不安からどう離れていくべきかを問い続けていく内容でした。・・・もし,ボクが意訳を交えながら勝手に邦題をつけるとすれば,シンプルに、 「ステイタスからの逃走」と付けたかもしれません。売れるためのタイトルという視点がなければ,の話ですが。

いきなり読む前に目次をチェックしたところ・・・最終章に「ステイタスからの自由—ボヘミアンの生き方—」とあり・・・もう少し奇をてらった視点を期待していましたが・・・。経済的/物質的な成功を否定し,芸術や文学,愛に価値を置く生き方と言っても,そちらはそちらで,同類項の中でそれなりに嫉妬深さが芽生えるものでありまして。

とまれ,このところ音沙汰はないですが・・・日本における「だめ連」などは,ひとつのボヘミアン的なライフスタイルの提案であったのではないでしょうか?

ステイタスといえば・・・何かと昨今は「何者かになりたい」「何者かでありたい」願望をネットアイドルや,あるいはブログやインターネットのソーシャルネットワークで自己プロデュースできる時代。その最たる一例が,「く●ぇ●」と称し放火を繰り返し,自作自演のハルマゲドン的逮捕となった女性だったりしますが・・・大きな物語の中で生きることが現代人にとって,もう一人の自分としてのステイタスを求めて止まない現代人を考えるという意味では,一気に読み進められそうな一冊です。

ところが・・・いくつか書評を読んでいると・・・誤訳の嵐とのこと。原書を入手したほうがいいということなのか。(^^;


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