« 2006年7月 | トップページ | 2006年9月 »

2006年8月

2006/08/28

もうひとつの愛を哲学する:ステイタスの不安。

Status目にするなり,タイトルからして気になり,読んでみようと思った一冊。

『もうひとつの愛を哲学する—ステイタスの不安—』

著者は,スイス生まれで幼少時にイギリスに移り,ケンブリッジ大学で思想史を学びロンドン大学大学院哲学指導教官を経て『哲学のなぐさ』『旅する哲学』というベストセラーの著作がある,アラン・ド・ボトン。そうした肩書き以上に1969年生まれというところが,同時代的な感覚で読み進められるのではという期待を抱いています。

本のつくりは学術書というよりは,一般書を意識しているためか文字も大きめ。

原題は"Status Axiety"。直訳すれば,まさしく邦題のサブタイトルである「ステイタスの不安」でありますが・・・。つまり,人間が生きていく上で二つの大きなラブストーリーがあって,ひとつは性的な愛の探求物語,もうひとつは世間から人間としての自分を受け入れてもらうための愛—ステイタス—の物語を求めて生きる。この邦訳書では後者の愛について,その不安からどう離れていくべきかを問い続けていく内容でした。・・・もし,ボクが意訳を交えながら勝手に邦題をつけるとすれば,シンプルに、 「ステイタスからの逃走」と付けたかもしれません。売れるためのタイトルという視点がなければ,の話ですが。

いきなり読む前に目次をチェックしたところ・・・最終章に「ステイタスからの自由—ボヘミアンの生き方—」とあり・・・もう少し奇をてらった視点を期待していましたが・・・。経済的/物質的な成功を否定し,芸術や文学,愛に価値を置く生き方と言っても,そちらはそちらで,同類項の中でそれなりに嫉妬深さが芽生えるものでありまして。

とまれ,このところ音沙汰はないですが・・・日本における「だめ連」などは,ひとつのボヘミアン的なライフスタイルの提案であったのではないでしょうか?

ステイタスといえば・・・何かと昨今は「何者かになりたい」「何者かでありたい」願望をネットアイドルや,あるいはブログやインターネットのソーシャルネットワークで自己プロデュースできる時代。その最たる一例が,「く●ぇ●」と称し放火を繰り返し,自作自演のハルマゲドン的逮捕となった女性だったりしますが・・・大きな物語の中で生きることが現代人にとって,もう一人の自分としてのステイタスを求めて止まない現代人を考えるという意味では,一気に読み進められそうな一冊です。

ところが・・・いくつか書評を読んでいると・・・誤訳の嵐とのこと。原書を入手したほうがいいということなのか。(^^;


2006/08/26

::..:: 温故知新を耳で実感する :: Pieces in a Modern Style ::..::

Orbit大学で履修する一般教養といえば,どことなく概論的というか,教科書的な講義で退屈な講義が多いかと思いますが・・・同じ退屈でも,自分にとって有意義な時間だったのが「芸術論」の時間でした。

「芸術論」といっても・・・いわゆる美術史的な話やビジュアルアートではありませんでした。受けた講義は,ひたすらジョン・ケージやエリック・サティを代表する<現代音楽>と,ガムラン音楽を交互に,時折,現代的なミニマルミュージックの連続性が,いかにガムラン音楽の影響を受けながらクリエイトされたきたのか?といった解説を交えながら聴くというスタイルでした。

皮肉なことに・・・4時頃から始まる講義ということもあり,心地よい音楽ほど睡魔に襲われるという状態でしたが,関心のある学生が多かったからか,いつ行っても聴講者の多い講義でした。ちなみに,担当の教授は・・・その道では実績のある女性だったということだけ述べておきます。

そんな余談はさておき・・・というか,そんな大学生の頃をふと思い出して聴いた1枚です。

● Pieces in a Modern Style :: William Orbit(2000)

クラシック〜現代音楽を,デジタルサウンドで再現した珠玉の一枚。得てして電子音楽は,完成度が高い程,退屈だとか人間味がないなどと言って評価を下げる人が多いかと思いますが,自分にとっては,上記のような講義のおかげかもしれませんが,物理的な音づくりよりも,過去と現代をつなぐ「コード」としての楽曲そのものと,それを紡ぎ出すウィリアム・オービットの感受性に止めどない感銘を受けた次第です。

「ヒーリング」といったテーマも作品にこめられているようですが,確かに,以前は寝られない夜に,よく小音量で流していました。個人的には,ラヴェルの(5)「亡き王女のためのパヴァーヌ」の幻想的で立体感ある世界と,ヴィヴァルディの(6)「ヴァイオリン協奏曲「四季」より「冬」〜ラルゴ」の小気味よいビート感。その2曲の展開がお気入りです。ついつい邦訳詞を唱ってしまいそうなヴィヴァルディでもあります。笑。

-------------------------------------------------------------

1. Adagio for strings (or string quartet; arr. from 2nd mvt. of String Quartet), Op. 11
Composed by Samuel Barber

2.In a Landscape, for piano or harp
Composed by John Cage

3. Ogives (4), for piano Number 1 (remix)
Composed by Erik Satie

4.Cavalleria rusticana, opera (melodramma) in 1 act Intermezzo (remix)
Composed by Pietro Mascagni
with Damian leGassick

5.Pavane pour une infante d伺unte, for piano (or orchestra)
Composed by Maurice Ravel
with Damian leGassick

6.Descriptive Sonnet to the concerto entitled "The Winter" ("L'inverno"), Op. 8/4, RV 297 Excerpt (remix)
Composed by Antonio Vivaldi

7.Concerto for piano, violin, cello & orchestra in C major ("Triple Concerto"), Op. 56 Excerpt (remix)
Composed by Ludwig van Beethoven

8.Serse (Xerxes), opera, HWV 40 Ombra mai fu (remix)
Composed by George Frideric Handel
with Damian leGassick

9.Pieces (3) in the Olden Style, for string orchestra 1 (remix)
Composed by Henryk Gorecki

10.Pieces (3) in the Olden Style, for string orchestra 3 (remix)
Composed by Henryk Gorecki
with Damian leGassick

11.String Quartet No. 15 in A minor ("Heiliger Dankgesang"), Op. 132 Excerpt (remix)
Composed by Ludwig van Beethoven

2006/08/25

真心?orお仕事?:ヒロシのネタにもなった釣り銭をもらうとき。

確かあれは一昨年前の正月のお笑い番組でのことだったか・・・自虐ネタでウケてるお笑い芸人・元ホストのヒロシ氏が・・・

コンビニでお釣りをもらうとき,さも汚いものに触れないような態度で釣り銭を渡された・・・

みたいなネタを出してたんです。これ・・・ときどき自分自身も経験してます。とくにコンビニでときどきバイトで入ってるような女子高生諸嬢! そんなに不潔に見えるか?なんて訊ねはしませんが・・・それじゃまるで,家では立場のないオヤジさんのパンツを,箸でつまんで洗濯機に突っ込む娘みたいじゃないか?!

なんて冗談はさておき・・・その反対で・・・このところ結構おおいパターンは・・・お釣りをはさむように利き手で持ち,非利き手はお客様の手を支えるように上下で包
む込むようなスタイル。教育の行き届いた料理店なんかで見かけたり・・・よく観察
してると,とくに高級品(アクセ等)を扱ってるところの店員は徹底してるような気
がします。

お客に対する思いやりが感じられたりもしますが・・・逆に・・・地元の八百屋や駄
菓子屋みたいなところで・・・いかにも欲が深そうなお店のオバさんが,早く代金だ
しなさい!みたいな横柄な態度で手のひらを差し出す・・・あの態度が懐かしいぐら
いです。そんな光景も・・・もう過去のものとなりつつありますね。

いっけんサービスは良さそうなんだけど・・・コミュニケーションはその場かぎりみ
たいな・・・そんな昨今ですね。

2006/08/19

日英の技が冴える:「利休梅 純米吟醸生酒 雫酒」

060816_18120001いろいろとお世話になっている編集者Eさんからいただいた,大阪交野市にある大門酒造の限定酒。蔵元では,料理とお酒のコラボレーションが楽しめるスペースもあるようで,そこでひとときを過ごされたEさんが気をつかって送ってくださった一本です。

元公務員で能登杜氏組合に所属する横道俊昭杜氏(能登杜氏)と,英語教師として来日後してから日本酒に魅せられたフィリップ・ハーパー氏(南部杜氏)による,大阪の地酒。

雫取りということもあり・・・おそらく原酒と思われますが,最初の口当たりに甘やかさを感じ濃厚な旨みが支配するものの,後半の喉ごしは辛みがリードする,なかなか好みの酒。

ホッコリと落ち着くというタイプではないですが・・・「挑戦」という言葉が似合いそうな,良い意味でアグレッシブな雰囲気ただよっています。

これからがもっと楽しみな日英合作清酒。そんなところです。

2006/08/18

重力に逆らう水の芸術:噴水。

Nao810914643464猛暑続きで夜も地面からムシムシした熱気を感じてしまう今日この頃。

写真は・・・ライトに映し出された噴水にしてみました。画面から噴水がミスト状になって冷風をもたらしてくれたら言うことなしですけどね。雰囲気だけでも感じていただければ幸いです。

書こうと思えばいくらでも話題は湧いてきますが,そんなときにかぎってキータッチがすすまなかったりするので,尊敬する大杉栄の言葉を残しておきます。

「美はただ乱調にある。諧調は偽りである。真はただ乱調にある」

只今のBGM ...... Fumiya Tanaka : DJ Mix 1/2

2006/08/16

古都・京都発のモダンなジーンズ :: KATO

060815_21150001一昨日のことですが・・・以前からデザインや縫製が面白いなと思っていたジーンズをどこかで試着してみたいと就寝中ふと思い・・・思い立ったが吉日ということで,たぶん置いてあるだろうと軽い気持ちで足を運んだリサイクルブティック。な,なんと,ホントにありました。

くだんのジーンズは「KAT0(カトー)」という京都の小さなブランドのもの。2001年から発表しているので,まだ新しく,コンセプトは「TOOL PROJECT」=「人は服を完成させるための道具=人が着て初めて服は完成される」。

何でも,リーバイスで立体裁断されデザインが斬新だった「エンジニアード」シリーズのデザインをされていた方のオリジナルのようです。


060816_14440002これまで,ジーンズといえば・・・過去はリーバイスのヴィンテージを安く見つけて履いていたりもしましたが・・・そのじつ,出てきた頃から国内で生産されたヴィンテージレプリカに興味を示し,買ってはいろいろ試していました。
そんな感じでしたから・・・あまり凝ったデザインのものには食指が動きませんでしたが・・・KATOについては,京都発ということもあり,興味津々。

というわけで・・・ユーズドということではありますが,見つけたものはサイズも自分に合っていて,試着後,即購入となりました。過去の所有者がそれほど履きこんでいないので,まだまだ色落ちも激しくありません。なのに,新品価格の四分の一だったので,何だか得した気分です。


060816_15100001とにかく,生地もやわらかく,立体裁断ということで,履き心地がとても楽です。それと・・・写真の質が悪くて申し訳ないのですが,いろんなところに<微妙に>施されているステッチが,とても小粋。おそらく,これはブランド立ち上げ当時のベーシックなモデルかと思いますが・・・もっと遊んだモデルを,今度は買いたいと思うところです。

リーバイスのヴィンテージを徹底的に研究してきた結果,日本のジーンズは,どこまでも進化してきていますが・・・KATOのような独創性のあるデザイン,むしろ新鮮に感じました。

http://www.blog-headline.jp/fashion/archives/2006/01/kato.html

↑このページにKATOにかんするページが紹介されています。

Twitter「つぶやく」ボタン

2006/08/14

固い約束:朝顔。

060814_11200001自然の摂理はうまくできていますね。

暑い夏にはクールな色彩がそこかしこに散りばめられています。

夏といえば「ひまわり」や「アサガオ」が代表的な花かと思いますが・・・中でもひときわクールな印象がある青い朝顔を発見。携帯フォトでイマイチですが。苦笑。

ちなみに・・・朝顔の花言葉は「固い約束」「愛着・愛情」「はかない恋」「私はあなたに結びつく」(ツルがしっかり巻き付くことから)。

「朝の美女」が,そもそもの朝顔という花の意味するところのようです。

遣唐使の時代に中国から漢方薬として伝わった花で,種子は下剤や利尿剤として使われるそうです。

朝顔については・・・何も人工的に小綺麗な庭園等に行かなくても・・・時折,場末の高架下に張り巡らされたフェンスなんかでも,たくましく咲いている姿をみかけますし,下町なんかの軒先で見られるような姿がよかったりもしますね。

2006/08/13

青い炎を感じるサウンド:クールな情熱。

060813_16190001温度計も落ち着かないような暑さがピークに達していますが・・・ふと通りかかった美容室の前で見つけた・・・かなりミニチュアなジオラマから流れ出るささやかな水流で涼を感じました。写真がそれなのですが・・・携帯フォトで写りがよろしくないです。残念。

さて・・・夏と言えば・・・チューブでも聴いて●●!なんて冗談はさておき,夜になれば,どことなく落ち着くサウンドが欲しいところ。かといって,コンテンポラリーR&Bの清涼感溢れる女性のコーラス・・・なんて路線はてもとにありませんので(悪くはないし,いいものは集めてみたいとも思っていますが),何気なく聴いているものを少し・・・。


Gotan●Gotan Project :: La Revancha del Tango -Japan Special Edition(2003)

ある日,FM放送を聴いていたら,司会のピーター・バラカン氏が、

「打ち込みのデジタル系は何を聴いても好きになれなかったが・・・これを聴いてしっかりハマってしまった」

的な発言をされていて・・・その後,続々と流れる曲に耳覚えが。じつは,自分自身も,気まぐれに買ったフランスの某クラブのコンピレーション盤に収録されていた曲の中で一番印象深かったユニット,それが Gotan Projectだったわけです。くだんのコンピレーション盤には一曲しか入っていなかったため,その後,程なくしてアルバムを購入しました。

その店には日本盤(スペシャルエディション)しか置いてなかったのですが・・・これが大正解。というのも,楽曲が多めに入っているとか,そういうセコい話ではなく,ジャケットがオリジナルよりも美しい。個人的に,MP3プレーヤーなんかにいっぱい楽曲をぶち込む行為が好きになれないのは・・・ミュージシャンの作品って,音とジャケットとの融合と考えているからです。そして楽曲のジャケットは例外なく素晴らしい。そう思うからこそ,音楽を持ち歩くときは,ジャケットも同伴です。笑。

さて・・・Gotan Project,じつはこのアルバム一枚しか持っていません。デビューアルバムにして,ヨーロッパで50万枚のセールス,さまざまな音楽の賞を獲得したようですが・・・そんなことはさておき,パリジャンが,アルゼンチンのタンゴと,デジタルライクなエレクトロニカを融合させた世界。

あまりここでゴタクを並べるよりも・・・いまだ知らずに興味がわいた人なら,一度,入手して聴いたほうが早いです。全体的に,どこかダルで憂いのあるサウンドですが,アルバム全体がとてもドラマチックな展開で,手法のデジタル/アナログが一切気になりません。

決してLEDメーターに喩えればレッドゾーンを振り切らない世界ではありますが,クールな人間同士の吐息が,音と音の間から聞こえてくるような,ある種,官能的な「青い炎」を感じさせる,大人のサウンドですね。

中には鈴虫(たぶん)のような虫の音が使われている部分もあり・・・どこかしら初秋にはマッチしているかな?とも思ったり。

http://www.gotanproject.com/releases.php?id=3&lang=en

↑にて試聴も可能であるようです。が,入手するなら是非,日本盤を。
 ジャケットの作りが美しい。見てのお楽しみです。


Sake●サケロック :: 慰安旅行(2004)

メンバー全員,まだ若いようですが・・・元YMOの細野晴臣氏ファンだったり,かつてYMOがカバーした「エキゾチック・ミュージック」の巨匠・マーティン・デニーの楽曲の中からバンド名をいただいたというサケロック。

まるでアロハシャツのような・・・洋の東西が入り交じりつつも,イイ意味で力が抜けていそうで,そのじつ,グルーブ感はたっぷり。

ちょっといい加減そうに聞こえるのが年齢の割には余裕がありそうで憎らしい,ジャンル云々を抜きにして,こういう日本のサウンドがあってもいいなと思わせる佳作です。

このアルバムの中でも,個人的にお気に入りの一曲「慰安旅行」について,CDを聴きながら読んで下さいと記されているライナーノーツからひいておきます。

<ビル街を抜けて夜景が窓の向こうに一気に広がった。ガチャンと車輪がきしむ音を立て,鼻の大きな美少年がブレイクビーツを叩き始めた。窓を開けてもいないのに,眼鏡をかけた坊主頭の弾くマンドリンと共に夜風が車内に吹き込んだ。
「ま,一杯どうぞ。せっかくの慰安旅行ですもの」(後略)>


http://www.bounce.com/interview/article.php/1269

↑こちらで一部試聴が可能であるようです。

2006/08/11

左利きの大卒男性は右利きよりも高給取りとの話:於米国。

全米経済研究所が・・・何と,利き手の左右の差による給与の差を発表しています。

ラファイエット大学のC・S・ルーベック,ジョンズ・ホプキンス大学のJ・ハリントン氏,ロバート・モフィット氏の共同研究論文とのことですが・・・大卒男性の場合、左利きは右利きに比べて約26%も高い給料を貰っているということです。

ただし女性には,このような差は見られないとのこと。

あくまで統計の結果ではありますが・・・あやかりたい。苦笑。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060811-00000407-reu-ent

↑ ロイター通信電

2006/08/10

利き手と血液型。

他愛のない,ささやかな話題ですが・・・以前から,利き手と血液型が坂本龍一氏や松本人志氏と一緒であることはわかっていました。(血液型は何であるかは想像にお任せします)

そこに新たに加わった人物・・・それは,先日,世界ライトフライ級でチャンプになった亀田興毅氏であります。ただ,それだけですが。(^^;

ちなみに・・・

血液型性格学よりも,個人的に以前から関心があったのは,世界的な血液型の分布です。

有名なのは,B型が圧倒的に多いのはインド系。中国もわりと多いようです。西ヨーロッパの国々ではB型って10%にも満たずA型が圧倒的に多い。人類の移動や起源を考えるうえでは興味深いことだと思っています。

ただし・・・血液型の分布図を見て「●型は先進国に多いから優れている」なんて言った,社会進化論的な発想は,大いに慎みたいものです。

大きく変貌を遂げる世間の「常識」から,現代の日本社会に何が起きているのかを考察している『いまどきの「常識」』(香山リカ著/岩波新書)にも,こんな一節がありました。

<「血液型」のように生まれつき決まっている要素では、なるべくその人を判断しない。これが、私たちの社会の基本ルールではなかったのだろうか。それにさえ鈍感になってしまっている人の「血液型」は、何型が多いのだろう。>


2006/08/09

緑色の夏。

193278166_192
夏といえば,灼熱の太陽等,どちらかといえば「赤」っぽいイメージを連想しがちですが・・・ふと木々を見てみると,とても青々しいので・・・見るだけでも清々しい気分になります。

たとえば青い「楓(かえで)=もみじ(紅葉)」・・・晩秋のそれとは明らかに趣が違います。

ところで,「もみじ」の語源は・・・揉んで染め出す紅色(もみ)だそうで,草木が赤や黄に変わることを「もみつ」(紅葉つ・黄葉つ)や「もみづ」(紅葉づ)ということから,それが名詞化して「もみち」となり濁音化して「もみぢ」となったようです。

一般的に,紅葉といえば楓(かえで)をさし花言葉は「遠慮」。なかなか耳にする機会は少ないですが・・・夏のそよ風にせせらぐ紅葉は,とても清涼感に溢れています。

2006/08/07

sounds cool :: Sabi / SND

かつて,レコードのLP盤に付いていたオビの上方に,小さくミュージシャンのジャンル分けが書かれていました。といっても,「ロック」「フュージョン」「ジャズ」「クラシック」・・・といった調子で,現在のCDショップ程には細かく分類されていませんでしたが。

中でも興味深かったのは,日本語でいうところの,いわゆる「電子音楽」です。今につながるテクノミュージックの系譜をたどれば・・・クラフトワークやYMOを避けて通ることはできませんが・・・。なんと1980年代の分類でいけば,クラフトワークは「ロック」,YMOは「フュージョン」だったのです。いずれも,そういた分類が正しいかどうかはさておき,そもそもカテゴリー分けほど曖昧なものはないと思わざるを得ません。

余談はさておき,自分自身,ジャズ喫茶に行って酒を飲むこともあれば,クラブでDJやVJのプレイを観戦?することもあるし,パンクのギグだって行くこともあります。あと・・・渋谷へ行けば名曲喫茶で喧噪から逃れることも。

今日は,ここ最近,部屋で聴くことの多い音源二枚です。
噴水に喩えてみれば・・・シュワシュワと勢いよく飛び散る水そのもの放物線よりも・・・水しぶきからささやかに広がるミストが発する虹色を音で楽しむといった趣でしょうか。ジャンル分けでは・・・あまり詳しくはわかりません。CDショップへ行けば・・・chill outとかtechnoとかdeep houseとかloungeとかcafe musicとかambientとか・・・そんなコーナーで見つかるものと思われます。

Sabi_nebuloussights● Sabi / nebulous sights (cactus islands recordings, 2006)

日英の混血というサウンドクリエイターによるミニCD。「nebulous sights」というタイトルから想像するに,日常や人生におけるマッシヴな思いでや記憶ではなく,ふと目を閉じたときや何気ない空想に耽ったときに浮かんできた情景やイメージを,音としておぼろげに(しかし精緻に)スケッチした。そんな印象を持つ一枚。

ジャケットには線香が写っていますが・・・どこかしらメランコリックなメロディーもチラホラ垣間見られるサウンドは,勝手ながら日本の電子音楽だと認識(使用されている書体のかわいさもどこかしら)。想像していたよりも素直な音づくりで,全体的に「液体」を思わせる雰囲気が漂います。ただ,massive attackの100th windowのように,深海を思わせるというか,ずっしりと心の奥底をたどっていくようなサウンドとは違い・・・昆虫や魚の目線を想像するような浜辺の波音や水面の波紋,水中の鼓動・・・台所や食卓のエトセトラ・・・幼少時の記憶みたいなものを,聴いていて勝手に感じました。まったりとした目線の高低を感じられます。

大ざっぱにいえば,テンポはゆるいし,ゆったりとソファにでも座って聴きたいサウンドです。チルアウト(chill out:冷静になる、落ち着く)な路線と言っておけばいいのでしょうか。

全体的には好印象。個人的は意見を言うとすれば・・・ところどころ散りばめてある,グリッヂ音(ジリジリ/チリチリした感じの本来はエラー音と言えばいいのか?)にもっと不規則なリズムがあったら,さらに面白味が出るのではないかと思ったりもしました。さらに今後が楽しみでもあります。

http://www.cactusisland.net/

↑試聴できるようです。


Tenderlove● SND / tender love (EFA, 2002)

時々足を運ぶ古本屋で,一時期店員さんの趣味?だとは思いますが,中古盤でかなり趣味色の強いコーナーがあり,2年前に思わずジャケット買いした一枚。じつは・・・このアルバムに入っている曲,テレビのニュース番組等で時々,耳にしたなあと。

こちらは・・・音数もかなり削り取ったミニマルなサウンドで,カチカチとクリッキーですが,リズムはけっこう捻りが利いていたりします。ただし,かなりソリッドでクールな音づくりなので,夏や音に相応しい場所以外ではちょっと冷たい印象を持つアルバムです。変な表現かもしれませんが,夏の夜にエアコンが発するノイズが,このアルバムみたいなサウンドだったならば,体感温度はかなり下降するでしょう。

ポストテクノミュージックについて書かれた本のなかに,このSNDが絡んでいるレーベル?「Mille Plateaux(ミル・プラトー)」について書かれたいたことを思い出したぐらいの知識しかなので・・・詳しいことをお知りになりたい方は,検索エンジン等で,その道のマニアが書いたエトセトラを参照してください。

ちなみに・・・「tender love」とは,日本語で「慈愛」を意味しますが,このアルバムを聴くと・・・こんなにクールな慈愛の表現の方法もあるんだ,と,新しい発見です。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00005YE6W/250-9410408-5501804?v=glance&n=561956

↑こちらも試聴可能であるようです。

Words are not enough...そんな思いを持った,歌詞はなくても詩的なサウンドを持った作品との出逢いを嬉しく思います。


2006/08/05

地酒オブ地酒:「凡愚 純米吟醸 三島雄町」

9162127_122s地酒オブ地酒:「凡愚 純米吟醸 三島雄町」

おそらく,この酒を醸す中尾酒造の地元・大阪府茨木市以外には,(東京や大阪以外)あまり流通していないと思われますが・・・。蔵元がたった一人で酒造りのほとんどをこなしているようですが,使用されている「雄町」は,何と茨木市北部(そのあたりの地域が三島と呼ばれる)で志ある農家によって栽培された,まさしく真の地酒。

仕込み水によるものと思われますが,日本酒度のわりには柔らかい味わい。雄町50%精米で税込み1340円(四合瓶・火入れ)は良心的な価格です。

(使用米:三島雄町/精米歩合:50%/酵母:自社独自酵母/酸度:1.6/アミノ酸度:1.3/日本酒度:+7/アルコール度数:15度)

2006/08/03

模倣し双方の原点に戻る日本製:デニム。

060802_17330001このところ・・・この日記に何か書く時間を,読書にあてておりました。

というわけで,読了した本のことを書く前に・・・日本にある小さな工房やショップが,オリジナルをとことん研究し,独自の世界を築きつつあるのは・・・勝手な趣味の世界ですが,ジーンズ(デニム)の世界かなと思っています。数をたくさん持っているわけではないですけど,集めるのは好きです。

ファッションと言えば東京がキーポイントであることは疑いえませんが,ことジーンズ(デニム)にかんしては,地方都市にあるガレージメーカーに勢いを感じます。大阪,名古屋,茨城,岡山,新潟・・・。

ただし・・・テレビの特集や大発行部数を誇る雑誌で見られるトレンディなタイプではありませんし,「隠しリベット」だの「赤耳」だの・・・興味のない人にとっては,「どうして見えないところにこだわるの?」と思われるかもしれません。しかも,もともとはリーバイス等アメリカ製のヴィンテージジーンズのレプリカでもあります。

写真(左)は・・・最近,よく履いている新潟のマルニというジーンズショップのオリジナルジーンズのパッチ(後方右上に付いているブランドのラベルですね)。家紋にURLが刻印されているだけ。よく「和物」と称して「これでもか!」と龍や牡丹の刺繍やペイントをしたジーンズを見かけますが,見えすぎては風情がないですね。

かつて,江戸時代の町人が,質素な着物を着ていても裏地にとことん凝るのが「粋」だったそうですが・・・大いに見習いたいところです。意外にそういうのを楽しんでいるのが,地方のジーンズにこだわるガレージメーカーといいたいところですが・・・最近はデニム地に派手なペイントや刺繍が施してあって,あれについては,個人的には身につけてみたい気持ちは毛頭ありません。

もっとこだわれば・・・ジーンズでも本藍染めになると・・・その染め付けは藍に灰汁や日本酒を混ぜて十日間ほど発酵させたものを染料にするようです。こうなると,デニム地も,まるで着物の世界です。

さて・・・ここ数日で数冊読んだ本の中から『いまどきの「常識」』(香山リカ著/岩波新書)『模倣される日本』(浜野保樹著/祥伝社新書)を紹介する予定でしたが・・・かき出すとキリがないので,後日,あらためて紹介します。

« 2006年7月 | トップページ | 2006年9月 »