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2006/07/11

「感動」禁止!

Kandou何とも挑発的な題名ですが・・・『「感動」禁止! 「涙」を消費する人びと』(八柏龍紀(やしがわたつのり)著・ベスト新書・2006年)という本を読んだ,ということが今日の話題。

どんな本であるのかは,カバーの折り返しに書かれている一節をひいておきます。

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 「感動をありがとう!」「勇気をもらいました!」。そう言って涙を流すのが正常だといわんばかりに、屈託なく語る人びと……
 元々「感動」や「勇気」は与えられるものではなく、内発的に抱くものではなかったのか?だからこそ価値があったのではないか?一体、いつから「涙」は軽くなり、「感動」はお安いものになってしまったのだろうか?
 内実なき熱狂を買い求めるカラッポ人間が、なぜ多数派を占めるようになってしまったのか。「消費」をキーワードにニッポン社会の変遷から解き明かし、いまどきニッポンを社会哲学で鋭く考察する。

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この前説を読めば,ある程度は予測がつくと思いますが・・・やはり,サッカーをはじめとする,あの「ニッポン・チャ・チャ・チャ」熱狂への批判も含まれます。

居場所のない人々が「一体感」を求めて熱狂する。けれども,巧みにマーケティングが施された「祭りの場の商品化」が進行する。どこまでいっても,理念や価値観が共有できない「雰囲気」を求めて彷徨う人々・・・。よって「感動」も「消費の対象」となる。その結果,「感動」とは自分の感情のなかで閉じこもる自己かわいさの計算が成り立つ欺瞞に満ちた涙に溢れると結論づけてます。

ちょっと話はそれますが・・・ワールドカップに出場すれば,どの国も熱狂しています。過去にイギリスに訪れたとき・・・ちょうどワールドカップ開催時でしたが・・・イングランド代表への関心度は,日本のそれとは比較にならなかったですし・・・正直言って,日本代表が一次リーグで敗退した後の他国への話題の転換ぶりは,まるで鎖国時と開国後,あるいは戦前と戦後ぐらいのコペルニクス的転回と,日本にいる外国人は感じているかもしれません。ただ・・・画一化された思考を持つと非難されがちですが,良くも悪くも,日本は楽しみが多様化していると,いい方に取れなくもありません。だから,ワールドカップへの感動も早く醒める。

ちなみに・・・「外人」とか「外国人」と言う言葉を,日本国籍以外の人に多用するのは日本独特のようですね。

話を戻しまして・・・自分自身は・・・いろんな現象に対して,「感動」することは非常に大事だと思っています。ただ・・・みんなと同じ「ノリ」じゃないのとダメなのか? 大きな感動ばっかり求めて,みんな不感症になっているのではないか? なんて思うことは多々あります。その象徴が,渋谷のセンター街や大阪・ミナミの戎橋なんかに見られる年中「ハレの日化」現象でしょう。そのじつ場所が持つ裏側の顔は人々の寂しさだらけなので,しばらく歩くと,逆にこっちの気分が虚しくなってきます。

美しいメロディーで涙するだけでなく・・・ノイズにも「美しさ」を見いだせば,そこに「感動」が生まれる。何か,そういう部分にひかれてしまう自分は・・・異常なのでしょうか?

「感動」を求めるパブロフの犬なら・・・想像力旺盛なのかもしれませんが(笑)・・・とにもかくにも,「感動」を強制するのだけは勘弁してほしい。

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コメント

>cornetさん

書き込みありがとうございます。

少し話はそれますが・・・現代の「右へ倣え的な感動」は,赤穂浪士や任侠の世界とは違い・・・関ヶ原の合戦なんかに見られる,形成を見ての武士の「寝返り」と相通じる,自身のご都合主義の総決算なイメージもありますね。って,ちょっと訳のわからない表現か???

 なんや興味深そうな題の本ですな。

 某国首相と違ごて、当方生まれてこの方、“感動した”っちゅう記憶があんまりないもんで。

 あと、「右へ倣え的な感動」っちゅうか、「これに感動でけん奴は非国民や」みたいなノリも、どうもハダに合わんしねぇ・・・。

 もちろん、“感動”を否定しているワケやおまへん(笑)。

おまけ:ホンマは2日前にコメントしよう思たんやけど、なんや2日間もメンテやったみたいなんで、最初に思いついた文とチト違う。

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