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2005/10/02

青木雄二:「ゼニとナニワの人生道」(KAWADE夢ムック)

1002一周忌追悼特集ということで,昨年の11月に刊行されたムックです。注目すべきは,未発表の作品が126ページも掲載されていること。若き日の作品が3つ見て読めるわけですが,「ナニワ金融道」へと至る道筋が・・・水商売のボーイや鉄道会社の土木部門に勤める社員といった,青木氏自身が経験した職業の主人公を通して十分に堪能できます。

 そういったマンガ途中に,いろんな人が書いたコメントが掲載されていますが,やはり一番読んでいてリアルで心を打つのは,19歳年下の奥さんのコメントでしょうか。馴れ初めから結婚に至るまでの過程は,他の本等で知っていたのですが・・・あらためて読むと・・・当時,北新地で勤めていた奥さんのもとに,多忙な連載生活が続くのに毎日通い詰めて「結婚してくれ」とストレートに言い続けたなんて・・・そんなバイタリティーがなければ,あそこまで人間臭いマンガを描くこともなかった人でしょう。きっと。

 ある意味,バブル時代以前のマンガにときどき見られた「社会的弱者に対する細かい描写」が,「ナニワ金融道」では「これでもか!」というぐらいさく裂していて,トレンディな香りがする小説よりも生身の人間の性根を「勉強」されてもらえる,稀有なマンガだったと思います。

 マンガそのものはいわゆるヘタウマチックな印象を誰もがもってしまうかと思いますけど,法務局での申請書入れとか・・・場末の電柱や壁の張り紙とか・・・ものすごく「状況」をリアルに描いていて,思わず感嘆符を心のなかで打った記憶があります。

 品がいいとか,俗っぽいとか・・・そういう表面的な評価は度外視して,故・青木雄二氏の描く「萎えた人間臭さ」を描ける漫画家は今後でてくるのだろうか?と,そほどマンガ好きでもない自分が考えてみたりもしました。

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