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2005/08/26

リアルタイムの真相:televisionとiD。

0826夕方,一仕事を片づけてから息抜きでふと立ち寄った古本屋でのこと。

 そこは時より寄り道する地区のチェーン店的な所なのですが,大学に近くにあるためか,はたまたスタッフのイイ意味で偏った趣味からか・・・CDも雑誌も自分好みなラインアップ。なぜか,そのお店で一般書籍を買ったことは一度もありませんが。

 ちなみに,そこには,いわゆるモダンなデジタルミュージックの小さなコーナーがあって,店内でよく流れているサウンドは,わりとアンビエント系だったりするのです。ところが,今日はというと・・・一時期ホントによく聴いた,ニューヨークパンクのバンド・テレビジョンの1stアルバム「マーキームーン」ではないか! 

 何かおもしろそうな本や雑誌はないかという気持ちよりも,久々に聴く,か弱いトム・バーレインのボーカルとギターにすっかり心酔する始末。いつも見る棚にはさほどおもしろそうな物はなかったけど,もう少しサウンドを楽しみたいと思い,日頃は足を運ばない洋雑誌のコーナーへ行くと,これまた懐かしや。イギリスのとんがった(あえて古くさい形容詞を使いました<笑>)雑誌・iDを発見。1996年と10年近く経った古雑誌(ちり紙交換車的表現ですみません)だけど,105円ということで手ぶらで出ていくのも何だからと,手にしてレジへ。

 それにしてもiD・・・かつては「iDジャパン」なんていう,かなりレイアウトの斬新な日本語版も一時期ありましたが・・・ぽしゃるのも早かった。当時はMacでのDTPがとても最先端に見えたとはいえ,さすがに読むための文字をスパイラル状にしたり・・・etc。それよりは,本家のように,ザックリした手張り感覚のレイアウトに,いまだパンキー?な手法ともいえるコピーアートっぽい処理の方が,21世紀に入った昨今でも斬新に感じるしよかったのではないでしょうか。

 なんて余談はさておき,外では滅多にお耳にかかれないテレビジョン。くだんのiDを手に,新入りの店員か?初めて見かけるレジ係りに,

「今かかってるのはテレビジョンだけど,あなたが好きなのですか?」

と思わず訊ねてしまいました。すると間一髪、

「そうなんです。パンクが好きで・・・」

いやはや,けっして派手ではないが,ギャル系とは正反対の,ソフトなウルフカットに,黒で染め直しましたといいたげで濃厚な黒髪。メイクもゴスロリほど目元を黒々しくしてないけど,ダークなトーン。個人的にはギャルであろうとゴスロリであろうとヲタクであろうとお嬢であろうと,その人に合ったスタイルを選択すればいいと思っていますが,茶髪や金髪が当たり前の昨今,マットな黒髪は逆に目立ちます。

 そんな余談はさておいて・・・今度は向こうからこちらへ、

「パンクがお好きなのですか?」とか「リアルタイムで聴いてたのですか?」

と質問の応酬。さすがに・・・小生(笑)三十代とはいえ,年齢一ケタだった1976年に,最初のパンクムーブメントを実体験してはおりません。とまれ・・・いやはや,おそらく二十代前半と思われるその女性が生まれる前,テレビジョンは結成され,そして解散した(近年フジロックで再結成ライブをしたようですが)パンクバンド。自分自身が中学生の頃,ビートルズはおろかディープパープルですらクラシカルなロックだと思っていたのに・・・今やパンクやニューウェーブなんてムーブメントは,れっきとしたロック界のクラシックであります。いや,かつてなら,歌謡曲なんて「フン!」やっぱロックじゃないとね!と,どことなく反抗的なサウンドとして大きく括られていたロックも,今ではヒップホップやその他モロモロのカテゴリーと並列に分けられる存在であるかもしれません。

 それにしても,雑誌のお金を払った後で,

「じゃあ,リチャード・ヘルとかジョニー・サンダースなんかも好きですか?」

なんて訊ねて,「もちろん探して聴きました」と相手が答えるやいなや,

「ロンドンで偶然にも死の直前にあったジョニー・サンダースのライブを見ましたよ」

なんて言ってしまう自分に・・・人知れず自己嫌悪してしまうと共に,それがたとえパンクムーブメントがとっくに過ぎた1990年代の話であっても,彼女にとっては「リアルタイム」なのだろうなあと,月日の流れる早さをついつい実感してしまうのでありました。そのいっぽうで,パンクでもなんでも,ちょっぴりコアな話題なら,多少の年齢差は軽く超えられるとも思った次第です。
 
 写真は・・・購入したiDと,テレビジョンのライブ盤。二枚組でD面はテレビジョンの名曲「マーキームーン」に続いて,ストーンズの「サティスファクション」のカバー。とにかくカッコイイです。またボーカルのトム・ヴァーレインの詞はとてもシュールで,サウンドも「パンク」とはいえ,かなり泣きの入った曲調もあります。イギリス人の友人にいたっては「Enka!(演歌)」と叫んでいました。

 個人的な趣味の話題なのでついつい長くなってしました。乱文お許しを。


只今のBGM:初秋を告げる虫の鳴き声

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コメント

>あみかさん

はじめまして。書き込みとTBありがとうございます。ブログを少し拝見させていただきましたが,とても音楽の趣味の幅が広かったり・・・いろいろと聞きこまれてますね。
テレビジョンがパンクか否か・・・このところのメッセージ性がかなり薄れたパンクと比較すれば,パンクではないかもしれないし・・・まあ,ひとつのムーブメントから生まれたバンドということで・・・。そもそもパンクという定義すら・・・かつての右翼と左翼ぐらい古いものかもしれません。

マーキームーンは私のフェヴァリットの一曲です。でもパンクと言われる事にとても大きな抵抗がありますね。
パンクという一般的なイメージに埋もれさせたくないという気持ちが先走ってしまいます(^^)。

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